2016年09月23日

飼料米を考える

間もなく稲刈りのシーズンを迎えます。
田んぼは黄金色に輝き、風に揺れる稲穂を見ているとすごく幸せな気持ちになります。
農耕民族のDNAのせいなのか、そんな風景は農作業で疲れた身体を癒してくれます。
私の大好きな景色です。

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ところで、みなさんは“飼料米”ってご存知ですか?
その名の通り、家畜の飼料となるお米のことなんです。

群馬県は6月上旬に田植えをする農家が多いのですが、実は全国で最も遅い植付をする地域と言われています。
そんな群馬にあって、麦の収穫を終えた田んぼで更に遅い田植えをしている所を見たことはないでしょうか。
その多くは「ほしじるし」という品種で、“業務用米”なのですが、食味が「コシヒカリ」に近い結構美味しいお米なんです。
そして、近年、増えているのが標題の“飼料米”。

この飼料米の生産量は、全国的にも増加しています。

なぜ増えているかは後述しますが、飼料米にはメリットがふたつあります。
ひとつは、水田が守られるということ。
ここ数年、食生活の変化や人口減などによって主食米の消費量は減る一方です。
それに呼応して、米が売れないなら作らないということで、非耕作田んぼ(放棄田)は増える一方です。
そこで、需要のある餌米を作ることで、水田を守ろうということなんです。

もうひとつのメリットは、輸入に依存する穀物飼料の一部が国内で生産できれば安心感につながるということです。
輸入飼料のほとんどは、遺伝子組み換え作物からできています。
地元農家の作った飼料米なら、畜産農家も安心して使えるし、消費者も安心して畜産物を購入することができます。

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ただ、生産者にとって、飼料米には大きなデメリットが、、、
それは、値段が安いということ。
飼料米価格は輸入トウモロコシと同等で1s30円程度。
ちなみにコシヒカリは1s300円、有名ブランド米なら1s700円程度。
飼料米がいかに安いかご理解いただけると思います。

生産コストが低いとはいえ、主食米の10分の1の値段でしか売れないなら、飼料米を作る農家なんて出てきません。


では、なぜ、飼料米が増えているのでしょう?

答えは簡単。
お察しの通り、“補助金”が出るからなんです。
1反(10e)あたり8万円が支給されるんです。
主食米価格の低下により、産地によっては、補助金の方が高くなる逆転現象も起きています。
「苦労して美味しい米を作ったってJAで安く買い叩かれちゃうんじゃ、飼料米でも作って国からゼニもらうかあ」なんて農家も増えてきたのも事実なんです。


現在の飼料米の生産量は年間約42万トン。
これを、国は、飼料米生産目標を110万トンに増やすとしています。
それに必要な補助金は1,700億円程度。
当然、税金から賄われます。

あなたは、納税者として、この金額を“農地の維持費用”として納得できますか?


補助金をばらまく農政はホントに正しいのか。
選挙の票稼ぎのための補助金に永続性はあるのか。
そもそも、飼料米は日本の農業に必要なのか、、、、


政府は国民が総合的に判断しうる材料を提示すべきなのでしょうね。



posted by るしあん at 19:52| Comment(0) | 日記