2017年06月16日

CMBS


今日は元銀行員らしくお堅い話題をひとつ……


ここ最近、クロネコヤマトをはじめとした宅配業界の過重労働が度々話題になっています。
要因は“ネット通販の拡大”といわれています。
アマゾンなどの急成長にドライバー確保が追い付かないというのが実情のようです。
反面、対面小売り業界はお客さんの減少に歯止めがかかりません。
コンビニや、店舗面積が大きい量販店が通販(宅配)に力を入れるという現象も起きています。
中国人の爆買が一段落した今、小売業界は、今後益々、ネット通販との厳しい競争に晒されることでしょう。


アメリカに目を向けてみると、事態はもっともっと深刻なようです、、、、
米商務省の推計によると、昨年のネット通販販売額は3,949億j(約43兆円)となり、前年比15.1%増と大きく増加しています。
全体の小売売上高の約5倍のペースで伸びていて、全体に占める割合は8.1%に拡大しています。

オンラインショッピングに顧客を奪われ、スポーツ用品店などの専門店の経営破たんも相次いでいます。
大手百貨店のメーシーズは730店舗中68店を年内に閉店するそうです。
すでに、シアーズは1,400店のうち150店、JCペニーは1,000店のうち138店が閉店もしくは閉店予定だそうです。


この問題、日本のメディアは“悲惨な宅配ドライバー”という側面しか報道しませんが、実は別の大きな問題を抱えています。
アメリカでは商業用不動産ローン担保証券(CMBS)と呼ばれる証券化商品を発行してショッピングモールの建設費用を調達するのが一般的です。
つまり、モールの閉店が相次げばCMBSが暴落する恐れがあるということなんです。
あの2008年のリーマンショクも低所得者向け住宅ローン(サブプライムローン)の暴落から引き起こされたものでした。
あの悪夢が再び起こりかねないのです。
アメリカや日本のシンクタンクの見立てでは「サブプライムの時のように、借金をしてまでCMBSに巨額の投資をしている投資家はいないのでおそらく危機的な状況には至らないだろう」とのことです。

さてさて、この先、市場はどう動いていくのやら、、、、


炎天下、宅配のおにいちゃんが汗をかきかき一生懸命走っている姿を見かけたら、その向こうのアメリカのマーケットに思いを巡らせてみてください。
投資に興味のない方でも、“風が吹けば桶屋がもうかる”的な発想で物事を見れば、メディアが報じるニュースの別の側面が見えてくることがあるかもしれません。


kansan01.jpg
〈もはや廃墟と化したアメリカの某ショッピングモール〉


posted by るしあん at 21:56| Comment(0) | 日記