2019年04月20日

闘病には笑いを


手術も無事終わり、体力的にも精神的にも元気が戻ってくると、入院生活がとたんに退屈になってきます。
入院中は買い込んできた文庫本を20冊くらいは読んだと思います。
消灯後はヘッドフォンで、クィーンや尾崎豊、柳ジョージなど、家にあった昔懐かしのCDを女房に届けてもらって、夜な夜な聴く毎日でした。
とはいえ、2週間も経つとさすがに聴き飽きてしまって、、、
そんな折、娘が落語のCDを差し入れてくれました。
落語を全く知らない娘が選んだのが、三遊亭圓生と古今亭志ん生。
「すごいね、よくこんな大御所を知ってたな!?」
「落語コーナーのCDを前から2枚取っただけ。」
「あっ、そ! まあ、そんなもんでしょ。」


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そんな圓生師匠のCDに収められていた演目のひとつ、『三軒長屋』。
三軒長屋とは、ひとつ屋根(棟)に三軒が区切られている長屋のことで、二階造で小さい庭まである高級な部類の住まいということになります。
庶民は六軒長屋など平屋で四畳半一間で暮らす江戸時代においては、やはり三軒長屋はちょっとセレブ。

とある三軒長屋。
真ん中には伊勢屋勘右衛門のお妾さんが囲われていました。
昼間は三味線などを弾きながら、女中とふたりで静かに暮らしていました。
やがて、左には仕事師の親方“政五郎”、右には剣術の指南“楠木運平正猛”が住むようになって、、、、
連日、左では職人がやって来ては、酒盛りでドンチャン大騒ぎ、しまいには喧嘩まで始まる始末。
右では門下生がやってきては稽古。
大きな声で「キェ〜!」。ドンッと足を踏み鳴らし。

今でいうところの騒音トラブルに巻き込まれ、ほとほと困ったお妾さんが伊勢勘に泣きついた。
「ねえ、旦那さま。両隣がうるさくて、私しゃ静かに暮らせないよ。どうにかしておくれよ。」
そこで伊勢勘、大店のことだけあって、両名に大金を払って、出て行ってくれるよう頼み込んだ。
親方「わかりやした。どこかに引越します。」
指南「拙者もその金をいただき、出ていこう。」

お妾さん、これで静かな生活が戻ると安心したのも束の間、今度は左から「キェ〜!」、右からドッタンバッタンの酔っ払いの喧嘩。
なんと、親方は指南がいた家に引越し、指南は親方の家に引っ越していたんです。

“大金を使っても入れ替わっただけで何も変わらなかった”というサゲ(オチ)でした!



退院して数日後、テレビのニュース。
あれ!? これって、『三軒長屋』じゃん!!

そう、私が見たのは大阪ダブル選挙のニュース。
ダブル選挙なんて言ってるけど、でも、これ、ただの入れ替え選挙じゃね!?
税金をいっぱ〜い使っても、入れ替わっただけで、な〜〜んも変わんねえんじゃん!

まさか、『三軒長屋』を平成もまもなく終わろうとしている今、リアルに見ることになろうとは!
天国で圓生師匠もビックリしていることでしょう。



ところで、、、
笑いは治癒力を高めてくれるそうですよ。
闘病には落語を聴きましょう。




posted by るしあん at 05:23| Comment(0) | 日記