2020年10月05日

ドローン2


今日もドローンの話し。

みなさんは、ちょうど10年前に武装ドローンを使ったアメリカの“対テロ軍事作戦”を覚えていますか?

オバマ政権は、武装ドローンを多用してパキスタンなどを攻撃。
なんと300人以上の民間人が犠牲となってしまいました。
日本でも「オバマのドローン戦争」に大きな批判が湧き起こりました。
当時はまだドローンという単語は一般的ではなかったので、「無人航空機による軍事作戦」と報道されていたと思います。

昨日も触れましたが、ドローン技術は飛躍的に進み、今やドローン戦争は当たり前の光景になっています。
何せ、ドローンは爆撃機など比べてともかく安くて、使い勝手もいいし、なにより自国の兵士の命を危険にさらすことがありません。
簡単に敵地に入り込んで爆撃できるのだから、攻撃のハードルが低くなったわけです。

オバマ前大統領は、政権の8年間に1,878回のドローン空爆を行っています(英シンクタンク調べ)。
現トランプ政権は最初の2年間ですでに2,000回超。
この事実からしても、いかに軍事ドローンがお手軽に使用されているかがうかがい知れます。



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ちょっと話しは脇に逸れますが、、、
最近のテレビを見てて感じるのですが、ワイドショーの多くがアメリカ大統領選を伝えるのに、トランプ・共和党の方がバイデン・民主党より強権的で好戦的であるかのように扱っているのが気になって、、、
中には、オバマ前大統領(民主党)を引き合いに出して持ち上げるようなコメントをする解説者までいたりして、、、

数年前、広島平和祈念式典にオバマ大統領が列席した時にはどの報道も“感動”を伝えていました。
ニュースでは繰り返し、「被爆者の手を取り抱き寄せ、爆死者慰霊碑に献花し、スピーチで核廃絶を訴える姿」を流し、まるで“感動しなければならないんだぞ”と押し付けているかのよう。
しかし、当時オバマ政権は、広島訪問前に日本円で約200兆円規模の核兵器予算を作っていました。
これは、世界最大の核兵器量産の予算。
このことに触れたマスコミは残念ながら皆無だったと記憶しています。
ヒロシマに“感動という花を添えたかった”マスコミのフィルターで濾(こ)された結果だったのでしょう。

日本人の感覚からすると「世界最大の核兵器量産の予算をつくっておきながら、よくも広島で核兵器廃絶だなんて言えるもんだ」なんて思いがちですが、残念ながら国際舞台(とりわけ外交政治)の場では、内と外でやってること、言ってることが正反対なんてことはよくあることです。

共和党にしても民主党にしても“強いアメリカ”であるためには、外交戦略には大きな違いはないと思うのですが、、、



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さて、ドローンの話しに戻します。
みなさんは、『パーリア・ウェポン』という言葉をご存知でしょうか?
パーリアとは「他の兵器と比べて特段に憎悪すべき存在であり、他の兵器とは異なる“除者(のけもの)”」を意味します。
いわば使用がタブー視されている兵器のことであり、対人地雷、毒ガス(化学兵器)、クラスター弾などがそれにあたります。
前述の通り、武装ドローンは敵地攻撃のハードルが低くて使いやすい兵器であると同時に、一般市民を巻き添えにしやすい兵器です。
しかし残念ながら、市民社会における規制議論は進んでいません。

武装ドローンの世界シェアは中国が世界一の輸出量となっていて、同性能のアメリカ製の30分の1の価格で売られています。
中東、アフリカ諸国はみな中国製を買っています。
一刻も早く、武装ドローンをパーリア・ウェポンに指定して規制すべきなのに、多くのNGO(非政府組織)は現状ではまだ存在しない「殺人ロボット」などの話題で注目を集めようとしてばかりいます。
『ターミネーター』かよ!!! と思わずツッコミを入れたくなります。



世界中で自国第一主義が広がり、ナショナリズムが過度に高まりを見せています。
そんな今だからこそ、罪のない人々、無辜の命を救うための論議があって然るべきなのではないでしょうか。





【参考:「禁忌の兵器―パーリア・ウエポンの系譜学」日経評論社】





posted by るしあん at 19:21| Comment(0) | 日記