2021年07月07日

ネゴシエーター


その昔、娘がまだ小学生だった頃、家族旅行でプーケットに遊びに行ったことがあったんです。
昼間はプールや海で遊んで、夕方は街に繰り出しショッピング、その後はディナー……
コロナ禍の今では考えられない楽しい時間でした。

その時、発見したのが、娘の“値段の交渉術”のレベルの高さ。
「こりゃ、学校の成績は悪くても、生きていく力はちゃんと身に付けてるナ」と、女房と顔を見合わせ笑ってしまいました。



bin01.JPG



アンカーとは、船の碇(いかり)のこと。
では、みなさんは「アンカリング」という言葉を聞いたことがありますか?

「アンカリング」とは経済用語で、「価格交渉で最初に示された金額によって、その後の交渉の値ごろ感が決まってしまう現象」のことを指します。
つまり、最初に出た数字が交渉の範囲を限定する碇(アンカー)の役割を果たすのです。



例えばプーケットの置物をお友達のお土産に買おうと思っています。
100バーツの値札が貼ってありますが、「頑張って交渉すれば50バーツ(半額)くらいになるんじゃないか」と考え、こう言います。
「ねえ、おじさん、半額にまけてよ!」
これじゃ、よくて75バーツくらいになるだけ……


うちの娘は、いきなり、「20バーツにしてよ!」って始めました。
私も女房も呆れて「8割引なんて無理に決まってんじゃん」なんて思っていたら、土産物屋台のおじさんも呆れ顔で「お譲ちゃん可愛いから、50バーツにしてあげるよ」と言い出した。
屋台のおじさん、見事に娘に20で碇(アンカー)を打ち込まれているから、最初の提示金額を50にしちゃった。
その後、しばらくおじさんと娘の楽しい交渉があって、最終的に35バーツになったのです。
そして、娘のさらにすごいのが、「3つ買うので100バーツにして」でダメ押し。
なんと1個、100バーツの置物を3個で100バーツにしたのです。

後で聞いたところ、娘は最初から友達3人分を買うつもりだった、とのこと。
「3個買い」を最後のカードにして交渉してた……


いやはや、これには、私も女房も驚きました。
アンカリングなんて交渉術を知るはずもない小学生が、見事にアンカリングの手法で値切ったんですから。


ちなみにホテルのおねえさんにこの話しをしたら、「半額でももうけが出るような金額になっているんだけど、3個ゲットできたのは上出来よ」とほめてくれました。


娘は、このおじさんとのやりとりがホント楽しかったらしく、滞在中ずっと「今日もマーケット行こうよ〜」とねだっていました。




今年4月1日から価格の「総額表示の義務化」が開始されたのはご存知の通り。
実は、これ、目的のひとつに「消費者をアンカリングから守る」ということもあるようです。
税抜き価格で碇を打ち込んで消費者に安いと誤認させないためです。


特に、通信販売では「見た目の安い値段」には要注意。
その商品、
・総額、税抜き双方の表示をしていたりしませんか?
・別途、送料や手数料が小さく書いてありませんか?
・初回の安い金額だけ大きく書かれ、翌月からは高い通常料金が設定されていませんか?




どうか、みなさん、碇(アンカー)を打ち込まれて、金額を見誤らないようにくれぐれもご注意を!!!





そうそう、娘は3●歳になりましたが、益々、逞しく生きています。
そして、サラ・ミラに“生きる術”を教えています (^O^)







posted by るしあん at 13:35| Comment(0) | 日記