今日は、女房と娘は2回目のワクチン接種で高崎Gメッセへ。
私はというと、日中の暑さを嫌って早朝から土手の草刈りをしてきました。
昼間はエアコンを効かせた部屋で映画三昧。
で、今日は昔懐かし『ディープ・インパクト』を観ました。
公開されたのは1998年、この年は長野五輪文化プログラム出演と中東公演で超多忙な日々を送っていましたが、練習の合間に映画館に足を運んだことを懐かしく思い出しました。
とはいえ、今日の本題は『ディープ・インパクト』のことではないんです。
もうちょっとだけこの映画について書きますが、ご容赦を。
ネタばれしない程度のあらすじは、、、
ある日、地球めがけて彗星「ウルフ・ビーダーマン」が飛んできます。
衝突により人類が滅亡するのを回避するため政府はシェルターを作るのですが、収容人数に限りがあるので選ばれた人しか入る権利が与えられません。
リオはその権利を得てシェルターの入り口まで来るのですが、ガールフレンドのサラと最期の時を迎えるために、踵(きびす)を返して街に戻るのです。
シェルターに向かう群衆をかき分けて逆行、愛する人のもとへ走るリオがけなげで格好いいんです。
とんでもなく長い枕話になりましたが、今日の話題は“逆行”について。
『ディープ・インパクト』のリオを見ていて思い出したのですが、近頃、中国ではヒーローのことを「逆行者」と呼ぶようになったそうです。
では、問題。
何がきっかけで「英雄=逆行者」となったか分かりますか?
答えは、意外と簡単。
今回の新型コロナ・パンデミックの起源とされる武漢。
中国政府はウイルスを封じ込めるため、武漢市の都市閉鎖を決定しました。
閉鎖される前に、罹患していない市民や外国人たちは、一斉に武漢脱出を図りました。
幹線道路は、武漢を出る車で大渋滞。
車と人が殺到したのです。
ところが、そこに、逆に武漢市に向かう一団が現れたのです。
彼等は流れに逆行し武漢市街地を目指します。
そう、彼等は武漢市民を守るためにやってきた医療従事者と、専門病棟建設のための建設作業員だったのです。
党からの強制だったのか、自己犠牲の志が高かったかは、この際不明ですが、市民は彼等エッセンシャル・ワーカーの逆走を称えたのです。
で、逆行者という言葉が英雄の意味を持ったという次第。
ところが、抜け目ないのが中国共産党。
さっそく、中国中央テレビに『最美逆行者』(“もっとも美しい英雄たち”という意味)なる連続ドラマを作らせて、ウイルス封じ込めに献身的に働く医療関係者を描き、ちゃっかり中国医療の素晴らしさを自画自賛。
習近平国家主席は、コロナ対策功労者表彰大会を開催して「中国の責任感、力を存分に示した」と語ったそうです。
あ〜あ、どの口がそんなことをのたまわっているんだよ。
思い返せば、一体どこから新型コロナは始まったのサ。
武漢がアウトブレイクした時、情報隠蔽しなけりゃ、もしかしたら今の状況はもう少しいい方に違っていたのかもしれない……
さて、件(くだん)の『最美逆行者』ですが、某国の『愛の不時着』のような人気ドラマになったかというとさにあらず。
なんと、思わぬ批判にさらされたそうです。
それは、最美逆行者が男性ばかりで描かれたから。
実際、看護師たちの多くは女性、医師もたくさんの女性医師が献身的に働いていました。
挙げ句に、エッセンシャル・ワーカーを乗せたバスが武漢に向かって出発するシーンでは、尻込みするドライバー役が女性だったのです。
当時の統計を見ると、武漢に出向いた医療関係者のうち男性は3分の1にすぎなかったそうです。
さすがに、「女性蔑視も甚(はなは)だしい」と国民に受け入れてもらえなかったとか。
そういえば、TVニュースで中国共産党大会のシーンを見ても男ばっかりで異様な雰囲気ですもんね。
ところで!!
昨年度の男女格差指数(世界経済フォーラム)を見ると、中国は106位。
日本はさらに低くて、なんと121位!
私が中国の党大会の様子を見て異様に感じる以上に、世界では日本の国会はおじさんばかりの異様な風景に映っているんだろうなあ。
情けない(T_T)
さてさて、話しを元に戻しますが、貴方は他人(ひと)のために逆行することはできますか?
私は愛する家族のためなら逆行も厭(いと)わないけど、他人のためというと二の足を踏んでしまうだろうなあ。
なにせビビリなもので、、、すみません。
コロナ禍において、特に医療崩壊が迫っている今、日夜、粉骨砕身奮闘されている医療従事者、関係者のみなさまや、私達の生活を支えてくださっているエッセンシャル・ワーカーのみなさまには、心より、感謝するとともに尊敬しています。
ありがとうございます。