先日、雨のため農作業ができないので、家に引きこもって“ひかりTV”で「時代劇専門チャンネル」をボ〜っと見ていました。
何という題名の時代劇だったか、、、
お役目の途中で茶店に寄ってだんごを頬張るお侍さんに対して、通りがかった知り合いの町娘がひとこと。
「あらあら、だめじゃない。こんなところでさぼってちゃ。」
うん!? “さぼる”って江戸時代にあった言葉かあ?
たしか語源はフランス語の「サボタージュ」じゃなかったっけ!?
少なくとも開国以降に日本に入った言葉なんじゃなかろうか。
余談ですが、、、
この「サボタージュ」、日本語の「さぼる」は怠(なま)ける程度のゆるい意味ですが、本家フランスでは破壊を伴うような過激な労働拒否なのだそうです。
元々の語源は「サボ」という木製の靴だそうで、かつてフランスの労働者が争議の際、このサボを使い機械を壊したことに由来しています。
なんにせよ、フランスの労働者は怒らせるとチョー恐いようです。
今の若い世代の人達には想像もつかないでしょうが、私が高校生の頃にはストで電車・バスが止まって休校になるなんて普通にあったんです。
スト休校は春の風物詩でした。
日本では「サボタージュ」より「ストライキ」の方が過激なイメージですよね。

話題がどんどん逸(そ)れちゃいそうなので、時代劇に戻します、、、
昭和のゆる〜い時代劇は、「頼朝様が馬から落馬したってよ」みたいな二重言葉や、駕籠かきがアスファルトの道を走っていたり、空には飛行機雲が浮いていたりと、結構「アラ」が少なくないので、「間違い探し」をしながら見るのも楽しいかもしれません。
ドリフのコントに志村けん演じる武士が、腕時計をしていたり、「OK」と答えたりしてドラマ撮影を滅茶苦茶にするというのがありましたが、それに近いNGシーンも隠れているかもしれません (^O^)
かつて、かの黒澤明監督は画面に電線が入ると言って、付近の電柱を抜かせたという逸話があります。まっ、都市伝説っぽい匂いもしますが、、、
今ならCG加工でどうにもなりますが、黄門様の背景に電線がちょこっと写り込んでも“ご愛嬌”で許される昭和のおおらかさもいいもんです。

中学校の時の国語の先生は時代劇の造詣が深くて、授業の合間の余談がとても面白い方でした。
二重言葉(重複表現)もその先生に教えてもらって、今でも、
「古(いにしえ)の昔の武士の侍が、馬から落ちて落馬して、顔を赤く赤面し、骨を折って骨折し、腹を切って切腹し、死んで冥土へ旅だった」
というのを忘れず覚えています。
そういえば、このあいだの参院選の番組の中で、「開票早々に自民が過半数を超える勢いです」と言ってた解説者がいましたが、正しくは「半数を超える」か「過半数に達する」。
文字にすると違和感に気付くのですが、話し言葉だとついつい言ってしまいがちですよね。
令和の世になって早3年余。
昭和歌謡を始めとした昭和グッズが、今、若者の間で人気なのだそうです。
フィンガー5やチェッカーズなどのノリのいい曲がTikTokでもよく使われています。
私達の世代にはノスタルジックでも、若者には新鮮に映るのでしょうね。
時代劇、とりわけTVドラマの時代劇は、今や昭和のレガシーといってもいいくらい。
たまには、ぼけ〜と「時代劇専門チャンネル」でも見ながら、アラを探してツッコミを入れるのも面白いかも……

※ちなみに文中の「忘れず覚えている」も二重表現。気が付きましたか?
※江戸時代の居酒屋、もちろんこの時代にテーブルと椅子はありません。