昨日の続きです。
銀行員をしていた頃、中医某(中国医療なんちゃら)へ訪問した時に漢方医から教えてもらった話し……
日本では、昨日のブログのように「立てば芍薬(しゃくやく)、座れば牡丹(ぼたん)、歩く姿は百合(ゆり)の花」を清楚な美人の形容に使いますが、実は漢方の世界では処方に用いる言葉なんだそう。
それぞれが生薬の薬効を表わしているそうですよ。

「立てば芍薬」は、イライラがつのり“気が立っている”女性のこと。
このような時は芍薬の根が効果的。
こわばった筋肉を弛緩させ、痛みを取ってくれるので、イライラを緩和してくれるそうです。
うちの女房に煎じて飲ませたい一品です (^O^)
芍薬は根っこを乾燥させて漢方薬になりますが、根の皮をむいて白い粉状にしたものと、皮ごと乾燥させた赤い粉状のものの2種類があります。
漢方の世界では、前者を白芍(びゃくしゃく)、後者を赤芍(せきしゃく)と呼ぶそうで、芍にはもともと薬という意味があるので、“白い薬”“赤い薬”ということになります。
芍薬は“薬の中の薬”ということで、特に効能が期待できる優れた植物みたいですね。
ただ、不思議なことに女性の方に効果があるそうです。
一度は聞いたことがある「芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)」などは、ドラッグストアなどで煎じて飲むタイプのものが手軽に買えるので、筋肉痛緩和やイライラ解消のために、ティータイムのお茶代わりに一杯飲むのもいいかもしれませんね。
ちなみに私はツムラ68「芍薬甘草湯」を足がつった時のお薬として処方してもらっていますが効果が得られていいですよ。
ゴルフをする方はキャディバッグに備えておくといいかも…

「座れば牡丹」とは座っている女性のお尻。
美尻を表わしているわけではなく“おけつ”、、、つまり「瘀血(おけつ)」のこと。
漢方では、お血とはお腹に血液が滞り、血行不良で起こる様々な体調の不具合を指します。
座ってばかりで身体を動かさないと健康に良くないですよ、という戒めもあるようです。
こんな血行不良には、牡丹の根皮を乾燥させた生薬が効果的。
生薬ではないのですが、牡丹の花の香りも鎮静効果や血行を促す効果があるんだそうです。
本家、中国では牡丹のことを花王と呼び、かつては国花とされていた時代もありました。
男女とも在宅勤務などで何となく不調だなあという方は、「大黄牡丹皮湯(だいおうぼたんぴとう)」や「桂皮茯苓丸(けいひぶくりょうがん)」などが市販されているので試してはいかがでしょう。
血行を良くして、肩コリ、めまい、頭重などの症状の改善に効果があるそうです。
女性には月経にまつわる諸症状にもいいそうですよ。

最後に「歩く姿は百合の花」。
ユリの花がナヨナヨと風に吹かれて揺れている様が、元気なくフラフラ歩く人のよう。
こんな足取りがおぼつかない人は心身症の状態かもしれません。
そのような時はユリの球根が効果的。
ユリ科の百合(びゃくごう)の鱗茎の鱗片を乾燥させた生薬には、精神安定薬的な効用があります。
消炎、鎮咳、利尿、鎮静(寧心安神)薬などとして用いられます。
うつ症に効果が認められるとの文献もあるそうですよ。
こちらは、「百合知母湯(びゃくごうちもとう)」「百合地黄湯(びゃくごうじおうとう)」などに配合されて市販されていますので、心や身体がお疲れの人は試されてはいかがでしょう。
こうして見ると、「立てば…」とは、単なる美人の形容詞ではなくて、東洋医学も認める生薬の用い方を表わした例えだということがわかります。
言いかえれば、“芍薬、牡丹、百合が美人を作る”ってことかもしれませんね、、、
Junko先生は飲んでいるのかなあ〜!?
今度、診察の時、聞いてみよっと (-。-)y-゜゜゜