2023年03月31日

コメを食わせるな


先日はお世話になっているディーラーの方が訪ねてきてくれました。
スタッドレス・タイヤの交換や保険手続きのお願いなどをしました。
半導体不足はどうなっているんだろうと思って尋ねてみると、ひと頃よりはだいぶ良くなっているけど世界的な不足はいまだ続いているそうです。
製造ラインがストップすることはないけど、新車納車待ちは結構あるようで、、、
プリウスなどは1年半も待たされる例もあるそうですよ。
それ故、中古車市場が活気を帯びているのですが、メーカーや大手中古車取扱店が車を抑えちゃうので、市中の小さな個人経営の中古車さんに回らず倒産するところも出てきているようです。



ところで、ここ数年、増えているなあと感じるのが家電の廃品回収業者。
この辺りでもよくチラシがポストインされています。
“○月○日○時に回るので使わなくなった家電を玄関先や門の所にこのチラシを貼って出しておいて”という内容。
家電以外の粗大ゴミは要相談、リサイクル家電は有料、とのこと。
以前、幼児用自転車とPC、プリンターをお願いしたら、アルバイトの外国人の兄ちゃんが喜んでトラックで運んで行きました。
「私たちがチラシを入れたとこを先に回って持ってちゃう悪い奴がいるよ。早く回らなくちゃ!」なんて言って、急いで積んでました。



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レアメタルも使われていないこんな壊れた家電なんか集めて商売になるんだろうか。
そんな疑問を持っていたら、新聞によると、世界的な半導体不足を背景に、半導体リサイクルや中古半導体の市場が盛況とのこと。
ところが、正規のルートを外れて半導体をかき集める家電メーカーもあるそうで、、、
そこに本物を装う模造品や廃家電から抜き取った不良品が交じるのだとか。

えっ、もしかして、私が出した廃家電もそんな非正規ルートを扱う悪い奴らだった?
どこが正規ルートの会社か非正規かなんて一般の人にはわからないし、、、
知らず知らずのうちに悪い奴らに加担しちゃったかなあと心配になりました。
配布されたチラシにはきちんと古物商の認可番号まで記載されていたので大丈夫だとは思うけど、、、
何か見分けるいい方法はないのだろうか。



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そんな半導体市場ですから、真贋(しんがん)を判定するサービスを始めた国内企業があるんです。
そこにメーカーの依頼が殺到したというのですから事態は深刻です。
真贋判定では3割超が偽物で、血圧計やドライブレコーダーに使われていたそうですよ。



新品か、中古か、家電を買うときに迷う時があります。
中古は安さが魅力だけど、すぐに故障するかもしれないし、、、
新品ならその心配がないから“安心料”込みの値段と割り切って奮発します。
それゆえ、メーカーは全力で新品の信頼性を守ってほしいと思います。
身の周りの製品に偽物が紛れ込んでいる恐れがあれば、私たち消費者は安心料を払う気になれません。



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半導体は「産業のコメ」とは言い得て妙です。
今や幅広い製品に欠かせません。
広島ではマイクロンメモリジャパンが投資増強をしたり、米マイクロン社が新たにDRAM工場を作ったことが話題となりました。
熊本では台湾TSMCの工場建設が進んでいます。
日本資本の企業でないのは残念ですが、国内に生産拠点が増えるのは明るい話題です。

ミサイル、戦闘機、戦車などなど、軍需産業にとっても半導体は必要不可欠。
軍用品に回る分を減らせれば、どれだけ日常品に回すことができるのだろう。



大事な“コメ”を兵器に食べさせてはいけないのです!!





posted by るしあん at 22:14| Comment(0) | 日記

2023年03月30日

春ですねえ


毎日、暖かい日が続きますね。

るしあんも春真っ盛りです。

昨年はゴールデン・ウィークに満開の花を咲かせようと植えたグラジオラスは5月末に、ミニひまわりは6月末に、、、

今年こそはGWにいらっしゃるお客様を楽しませようとチューリップなどを植えました。

ところが、連日の暖かい陽気のおかげで、今が満開で見頃を迎えました。

いや〜、なかなか思い通りに咲かせられないものですね。

花の栽培は野菜以上に難しい……



ということで、愛犬とお花を撮影するのは今週末をおすすめします (^^)



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posted by るしあん at 22:29| Comment(0) | 日記

2023年03月29日

私たちの物語


時々、クイズ番組で“昭和の常識”を若い世代に問うものがあります。
私達には当たり前でも若者には全く理解できずトンチンカンな回答に思わず笑ってしまいます。
先日は「光化学スモッグ注意報」が出題されていましたが、久しぶり聞く単語に懐かしさを覚えました。
私が子どもの頃は高度経済成長に伴う公害が社会問題になっていました。
ど田舎の群馬の学校では心配なかったのですが、東京では大気汚染のため屋外授業がたびたび出来ない状態になったのです。
目がチクチク傷んだり、咳込んだりと、、、 「光化学スモッグ注意報」が発表されると校内に逃げ込んだのです。
私の記憶だと、なぜか東京でも石神井にばかり発令されていたような、、、
あの頃の東京は、ちょうど今の北京のように薄煙におおわれていました。
なにせ、富士山が見える日は、それがニュースになったのですから。



公害の代表格といえば、やはり「水俣病」でしょう。
熊本県水俣市。ここは2つの川が交差して流れていた景色から付いた名だそうです。
私が起業家セミナーで机を並べていた友人が、隣接の鹿児島県出水市出身で、彼いわく水俣も出水も海はとても綺麗で、長島や獅子島が望める風光明媚なところなんだそう。
かつて日本を揺るがした公害の街とは思えないそうです。
とても美しい景色なんだとか。



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作家の池澤夏樹さんは憤りを持って書いています。
「この美しい地名を病気の名に流用したことに市民は怒るべきである」。
そして、「原因企業の名を取る『チッソ病』がふさわしかった」とも。
この文章は、池澤さんが編集を担った文学全集に『苦海浄土』(石牟礼道子著)を選んだ時に書いたものです。
池澤さんの怒りはもっともで、実際、私は友人の話しを聞いたあとでも「水俣」と聞けば美しい景色を想像するよりまず公害を思い浮かべてしまいます。
私を含め多くの人がきっと水俣にはネガティブなイメージを抱くのではないでしょうか。



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名著『苦海浄土』とともに水俣病の悲劇を世に広めたのがアメリカ人のユージン・スミス、アイリーン夫妻による写真集『MINAMATA』です。
2人は1971年9月から3年にわたって水俣で暮らし、交流した患者家族の姿をカメラに収め続けました。

映画『MINAMATA』(2020年)でジョニー・デップさんが演じたのがこのユージン・スミス氏でした。
また、デップさんはこの映画のプロデューサーでもあるのです。
映画は、水銀の毒性に冒された子ども達、激しい抗議活動、それを力で抑えつける企業側などが、時に実際の写真を挟み、時に脚色を交え、映画芸術の力で問題の所在を浮かび上がらせます。
デップさんの鬼気迫る演技は、あたかも故ユージン・スミス氏の遺志が乗り移ったかのようです。
鋭いまなざしに、有機水銀を含む工場廃水を海に流した取り返しのつかない選択への怒りや悲しみがにじみます。



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映画『MINAMATA』をご覧になっていない方は、DVD化されていますし、またアマゾン・プライムなどでも視聴ができますので、是非、ご覧になってください。
負の歴史として、同じ過ちを犯さないためにも、心に留めておくべき作品だと思います。



病気の公式確認から67年。
美しい地名は、「ミナマタ」として世界に広まりました。
今も苦しむ患者の裁判は続いています。
そう、「ミナマタ」はまだ終わっていないのです。



この映画を現在進行形の「私たちの物語」と見なければ、悲劇は何度も繰り返されてしまいます。





posted by るしあん at 23:56| Comment(0) | 日記