2023年03月21日

脱亜のはなし、入亜のはなし


息子が大学時代を過ごした佐賀県では今、プリンが激アツなんだそう。
江戸時代、長崎出島から福岡まで長崎街道を通り、関西・関東に向けて舶来の砂糖が運ばれた事から、街道筋ではお菓子文化が発展しました。
今では“シュガーロード”と呼ばれ、小城羊羹や丸ぼうろ、佐賀錦など美味しい和菓子の銘店が多いのです。
そんなシュガーロードで、現在、美味しいプリン店が数多く出店し味を競い合っているそうです。
プリン好きの私としては、息子が佐賀に住んでいる時にプリン競争が起きればよかったのにとチョット残念な気持ちです。



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かの福沢諭吉は「脱亜論」の中でこんな事を書いています。

「長崎で流行するはしかが東京に伝染するのを防ぐ手段はない。
害悪しかない疫病ですらそうなのだから、利害のうち常に利益の方が大きい『文明』の伝播(でんぱ)は防ぐのがさらに困難だ。」

西洋文明が日本に入ってくればあっという間だよ。
明治維新を経た日本はアジアの古い考え方から一刻も早く抜け出し、西洋文明の利を吸収しないと日本の独立が危うくなるよ、と警告しているのです。
時はまさに欧米列強のアジア進出に勢いがあったころ。
賢人たちの先見の明があったからこそ日本が欧米列強の植民地にならずにすんだのかもしれませんね。



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これとは逆向きの「脱欧入亜」ともいえる姿勢を見せるのがアメリカのバイデン政権。
ヨーロッパへの関心といったらもっぱらウクライナで、プーチン・ロシアにどう落とし前を付けるかが当面の問題のようで、他のヨーロッパの国々にはあまり関心がないようです。
警戒するのはどうも、「重大な競争相手」の中国による権威主義や経済的影響力の拡大のようで、、、
そのバイデン政権は、アメリカ・イギリスにオーストラリアを加えた安全保障の枠組み「AUKUS(オーカス)」を立ち上げました。
そして、先日はいよいよオーストラリアの原子力潜水艦の配備計画が発表されました。
オーストラリア国内では中国けん制の意義は理解しつつも、米英軍需産業を潤すだけだと、32兆円もの高い買い物にアルバニージー政権批判の声が大きくなっているようです。

このオーカスにはさすがにコケにされたフランスが激怒しました。
というのもアメリカのせいで仏豪間の原子力潜水艦共同開発計画が破棄されてしまったわけですから。
この流れの中で、キシダさんは1月13日に訪米したのです。
バイデンさんはフランスの猛抗議にも一切ひるまず、首都ワシントンに日豪印の首相を招き「QUAD(クアッド=4)」の結束を誇示してみせたのです。

そのキシダさんは、SAIS(ジョンズ・ホプキンス大高等国際問題研究大学院)の講演で大暴走して、国会で何も議論していないのに防衛費増額を約束してしまいました。
米大統領の喜ぶ顔を見て喜んでいるキシダさんを見ていると、宏池会も変わったもんだなあと思います。
平和の党を標榜していた公明党さえも賛同してしまうのだからまさに“隔世の感”があります。



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「AUKUS(オーカス)」「QUAD(クアッド)」の次は、いよいよG7にオーストラリア・インド・韓国を加えた「G10」が現実味を帯びてきました。
21世紀にもなって「武力によって他国領土を切り取り自国とする」なんて暴挙が許されてしまったら、それこそ中国のような覇権主義国がロシアを真似て侵攻してくるかもしれません。
そういう意味では確かに「G10」は必要かもしれませんが、枠組みが行き過ぎて世界を二分したり、陣営双方が軍備増強しすぎるのはあまりに危険だと思うのですが…



今朝は侍ジャパンを応援していたら、「岸田首相、ウクライナを電撃訪問」の速報が流れました。
あれっ!? 今、インドに行ってるんじゃ!?
数か月前、このブログで、「キシダさん、広島G7にハクを付けたくて、ウクライナを訪問したくてウズウズしてんじゃね」なんて揶揄しましたが、まさか本当に訪問するとは、、、
あれから数ヶ月、今ではG7首脳でウクライナに行っていないのはキシダさんだけになっちゃってたから、議長としての焦りもあって訪問したんでしょうね。
でも、日本はNATOメンバーじゃないんだから、そこまで広島G7に見栄を張ることはないんじゃない!?

大丈夫なの? 日本の首相が戦地に赴くなんて…
日本を引き返せない所(ポイント・オブ・ノー・リターン)まで引っ張って行く気なの?
この日程だって、習近平のロシア訪問に合わせたかのようで、、、
大人しくて従順な気弱な子ほど、暴走を始めるとタガが外れたように手に負えなくなるといいますが、、、(←あっ、犬のことです(^O^))



今こそ、私たちは政治に無関心にならずに国政を注視していかなければならないと思います。
子ども達や孫達を絶対に戦場に送ってはならないのです!!
「国際社会の一員として」なんて言葉は戦争をしていい理由にはなりません。



また、福沢諭吉はこんなことも論じています。
「世界文明の喧嘩繁劇は東洋孤島の独睡を許さず。」
つまり、国際関係とはこうも複雑なんだよと訴えているのです。
福沢の言葉には今に通じるものがあります。

対米追従の一本やりで済むような現状にはないのです。










posted by るしあん at 23:22| Comment(0) | 日記