先日のテレビ番組で池上彰さんが「日本人は金利0%でも銀行預金に預け投資に回さない」ということを解説していました。
投資は元本割れというリスクがあることから博打のように考える方も少なくないようです。
年配者にそういった考えが根強く、また若い人には賃金が低くて“余裕資金”なんて捻出できないという切実な思いもあるようです。
かく言う私自身、るしあんのメインバンクの信金にNISA(ニーサ)の非課税枠は設定してあるものの日々の暮らしで精一杯でとても投資商品を利用できる余裕はありません。
銀行員時代、地元の高校から出前講座を頼まれて金融の講義をしたことがありますが、年に1、2回程度の単発でとても“授業”と呼べる代物ではありませんでした。
昨今の高校教育では18歳成人を期に、金融や契約に関する授業に本腰を入れる学校が増えていますが、まだまだ物足りません。
キシダさんはしきりに「投資をしよう」と音頭を取っていますが、「首相が言うんじゃ積立定期預金をやめてニーサにするかあ」なんて奇特な人はいません。
時間がかかろうともキチンと教育を進めることが肝要だと思います。
正に「米百俵」の精神で臨まなくては。

欧米の高校や日本に進出している英国の名門学校では、実際に投資をすることで学習するそうです。
基礎知識を学んだ後、5万円、10万円といった元手を各生徒に用意させ、いわば実地訓練をさせるそうです。
増やすも減らすも勉強であり、同時に“自己責任”も学ぶのです。
そうした教育を受けて社会に出ることによって、適切な投資ができるようになるのです。
また、システムの道理がわかっていれば詐欺被害を未然に防ぐこともできます。
「世の中、そんなウマイ話しは無えよなあ」と思えることが大事なのです。
金融教育などの実社会で生きていくための学習が進まないうちに、投資の世界では「空箱会社」の上場解禁(2021年)など新たなシステムが増えています。
社会に出る前に若者が学ぶべきことは多いのです。
政治家や首長などは「子育て」を標榜し授業料無償化など、耳に心地良いことばかりを訴えます。
ホントは「何を子どもたちに学ばせるか」ということの方が大事なんですけどね――。