いい歳こいて私は漫画やアニメが大好きなのですが、そのひとつに「キングダム」や「パリピ孔明」があります。
横山光輝の「三国志」も面白かったなあ。
ちょっと話しは逸れますが、私は高校時代、世界史が大嫌いで赤点ばかり、、、
2回の追試でどうにか35点取って(5点はおまけしてもらって)、やっと3年生になれた苦い思い出があります。
暗記するのがとにかく嫌いで、苦手というよりは「なんで年表や歴史を覚えなけりゃいけないんだ。必要に応じて本を開けばいいことじゃねえか」という気持ちだったのです。
暗記力より思考力重視の入試の私大を探して、社会じゃなくて数学で受けられる経済学部を何校かトライしました。
そんな世界史無知の私ですから中国の変遷なんか全くわかりません。
「キングダム」は秦の始皇帝の話しですから最も古く、三国志、唐と続いて、元寇という大事件があって、その後は明、清と続くんでしたっけ?
漫画で学んだ以上の知識はありません、、、恥ずかしい (=_=)

何の漫画で読んだのか忘れてしまいましたが、驃(ひょう)なる国が登場します。
さすがの世界史おバカの私でも「古代中国に“驃”なんてあったっけ?」と疑問に思いました。
物語は唐の詩人、白居易(はくきょい)の「驃国楽」をベースに、驃国の王子が唐の都、長安を訪れ踊りを献上する場面が描かれます。
この驃国の王子さまは、外国のピュー王国の皇太子で親善大使として唐を訪れていたのです。
「な〜んだ、やっぱり古代中国の国名じゃなかったのかあ」。
驃国とは古代中国でのピュー王国の呼び名だったのです。
実はピュー王国とは今のミャンマー。
ミャンマーはたくさんの少数民族で成る国なのですが、ウィキペディアで調べたら、紀元前2世紀から9世紀にかけてはピュー族が支配しており、それでピュー王国と呼んだのだそう。
中国名の由来は、ピュー族のPyuという発音をそのまま「驃」の漢字を当てたそうです。
かつて医療ボランティアでミャンマーを訪問した経験をこのブログで度々書いていますが、、、
私たちが訪問したのはスーチー女史が自宅軟禁されていた軍事政権の時でした。
その時に、国連のスタッフの方から「ミャンマーの古代遺跡群を世界遺産に申請する準備をしている」との話しを伺いました。
世界遺産として世界の目を向けさせることで、軍が破壊行為に及ぶのを防ぐ目的があったようでした。
そして、その数年後、2014年に古代遺跡群がミャンマー初の世界遺産に登録されたのです。
3つの都市遺跡に城壁や宮殿、仏塔などが残ります。
そのどれもがピュー王国の遺跡です。
当時、ミャンマーの古代遺跡群としか聞いておらず、何の知識もなく見学に連れて行ってもらいました。
訪問から20年近くが経って、物語を読んだことで「驃国」と「ピュー王国」と「ミャンマー初の世界遺産」が私の頭のつながったのです!
なんかすごく興奮してしまいました。
思わず、昔の写真を引っ張り出して見入ってしまいました。

高校生の時にきちんと世界史を学んで、知識を持って、遺跡見学に出かけていれば、また違った感動を得られたのだろうなあ。
かつてNHKのアナさんが「知るは喜びなり」と言ってたけど、正にそうだと思います。
“受験のため”と思うと勉強もただの苦痛だけど、いつかどこかで感動を与えてくれるものだと思えばモチベーションも違ってくるのでしょうね。
幸いにも今の時代はスマホでチャチャっと調べられるいい時代ですので、どこかに旅行に出かける際はその場所の歴史や背景といったものを勉強していきたいものです。