寒波がやってきて、ようやくこの季節らしい寒さになりました。
タマネギ用の畝を準備して10日ほど経つのですが、寒くなるのを待ってやっと今日、苗の植え付けができました。
るしあんで栽培しているタマネギは晩生種のもので、植付も収穫も遅いのですが、収穫後は翌年3月まで貯蔵できるものなのです。
先週は先行して中晩生種の赤タマネギを少しばかり植えたのですが、こちらの貯蔵は9月までと短いんです。
種類によって半年も“持ち”が違うのだから驚きです。
貯蔵期間の違いで種類を分けて上手に育てるのもムダを省くコツ。
微々たるものですが、これもちょっとしたSDGsになるのかなあ、、、
ということで、このタマネギ植えで今年の主な農作業は終了しました。
あとは“寒起こし(かんおこし)”といって、冬至の頃に鼻水たらしながらトラクターで田んぼや畑の固くしまった土を耕すくらいです。
当面の間、農業体験はお休みとなります。
3月頃に再開予定ですが、毎週月曜日はこのままカフェはお休みします。

そういえば、1カ月ほど前に久しぶりに化学肥料(苦土石灰)を買ったのです。
今回のタマネギはしばらく使っていなかった畑で作ったので、土壌が酸性に傾いていると思い、苦土石灰を播いたのです。
日本の土は弱酸性の雨によって酸性に傾きやすくなっているので、特に人の手が加えられていない畑は酸性濃度が高くなりがちなんです。
苦土石灰は、石灰岩を焙焼してつくるのですが、アルカリ分が多く、マグネシウムを含んでいる石灰肥料なので、土質を中性に戻すために用います。
肥料というより土壌改良用です。
それが、、、
つい2年前までは1袋200円だったのに、なんと580円になっていたのです。
お店の人に「この値段、間違いじゃないよね?」と思わず訊ねてしまいました。
「ウクライナからの輸入に頼っていたので、この1年半の間にどんどん値上がりしちゃったんです」とのこと。
化学肥料が軒並み高騰していることは知っていましたが、まさか苦土石灰までとは、、、しかも3倍の値段なんて、、、
予算をはるかにオーバーしてしまうので、しょうがない3分の1の量をまいたのです。
うちみたいな極小農家なら、びっくりして量を減らす程度で済みますが、何町歩も作っている農家の方は死活問題ですよね。
あらためて、離農した先輩んちのご苦労がわかりました。
先日、友人(一悦園の大将)が訪ねてきてくれたのですが、これから赤城山の酪農家のところに発酵牛フンをもらいに行くところだそうで、、、
しばらくおしゃべりしたのですが、互いに、やっぱり有機肥料が一番だよなあと落ち着いたのです。
こうも化学肥料が農家の経営を圧迫するのであれば、多くの農家が昔の堆肥に回帰するかもしれませんね。
そして、値段のメリットもさることながら、堆肥などの有機肥料は微生物によって分解されるため最も土を肥沃にしてくれるので、農作物の味が良くなるという大きな利点があります。
「一悦園のぶどう、他よりうめえんだから、“有機栽培で育てた美味しいブドウ”って看板でも出してもっとPRすりゃあいいんに。」
私のアドバイスに「いやあ」と照れていました (^O^)

さてさて、世の中、電気自動車ばかりが注目を集めていますが、果たしてトラクターはどうなるのやら!?
息子たちの時代、田畑で見るのは果たして、電気トラクターか、それとも牛が鋤(すき)を引っ張る姿に回帰しているのか?……
