2024年03月31日

空の広さ


今日は初夏のような陽気の中をSLが疾走していきました。
わずか1週間前には雪の降りしきる景色にSLの写真を撮ったばかりなのに、、、
なんと今日は25℃に達し、夏日になりました。
ドッグランのチューリップは驚いたように次々に咲き始めています。
今年の桜は気温に翻弄されて気の毒ですが、もう間もなく私達の目を楽しませてくれることでしょう。



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それにしても、今日の青空はなんて綺麗で広いのでしょう。
黄砂や春霞もなく透けるような青色でした。
晴天を見越してか、今朝の地元紙のコラムに歌人葛原妙子の短歌が紹介されていました。
葛原妙子といえば“現代の魔女”との異名を持つ戦後の歌壇を代表する歌人で、「見てはならぬものを見て、聞いてはならぬものを聞く」と評されています。
コラムに載っていたのが、この一首。

――落つるものなくなりし空が急に広し日本中の空を意識する――

空から落ちてくるものはなにも雨や雪とは限らない。
米軍機が頭上を飛び絶え間なく焼夷弾が降り注ぐ。
空を見上げるのは敵機が飛んでいないか、爆弾が落ちてこないかを見定めるため、、、
終戦を迎えようやく安らかな気持ちで空をのぞむと、、、
何も落ちてこない空は急に広がりを持ち始め、、、
日本中の空に平和が広がっていることが心に沁み亘っていくのです。



かつて、私はベイルートのホテルでこんな経験をしました。
夕刻、ホテルに入ろうとしたまさにその時、街中にけたたましいサイレンの音が響き、次の瞬間、バチーンとホテルの照明が消え、灯り始めた町の窓灯りも一斉に暗くなったのです。
信号の消えた交差点ではクラクションが鳴りやまず、、、
オロオロしながら空を見上げました。
「ミサイルや砲撃だったらどうしよう!? どうやって脱出すりゃいいんだ!?」
怯える私にドアマン(ベルボーイ)が笑顔で、
「心配ないよ。ベイルートじゃ電気供給が足りず停電が起きる前にサイレンで知らせるんだよ。停電なんてしょっちゅうサ。」

ダマスカスからベッカー平原を越えてベイルートに入ったあたりから、建物は爆撃で崩れ、弾痕が生々しい壁を至る所で見かけるのです。
路上駐車の戦車や機銃が付いたジープを見て、今は平穏でも明日はいきなり戦場となる地に居ることがヒシヒシと伝わってきました。
昼間、道中見たこの光景が恐怖として心に残っていたので、サイレンの音に身体が怯えて震えたのだと思います。
空襲警報と思い身体を貫いた恐怖は、今でも私を“サイレン嫌い”にしています。
あの時見上げた空の色や大きさはもはや記憶にありませんが、ミサイルや砲弾を探して空を眺めた経験は一生忘れることはないでしょう。



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ウクライナやパレスチナの人々はどんな気持ちで今空を見上げているのだろうか。
見上げる空は暗く重くそして狭いのだろうなあ、、、
今この瞬間も子ども達は空襲を伝えるサイレンに怯えていることでしょう、、、



戦争のない日本で、青く広い空を見上げられる幸せ――
この空は広いまま子ども達に残してあげなければならないのです。





広い空を狭くしてしまう戦闘機を第三国(外国)に売る日本、、、 そんな日本に変えてしまうことに、あなたは何のためらいもないの、キシダさん?

その欲に曇ったメガネを一度綺麗に拭いて青くて広い空を見上げてみなよ!!









posted by るしあん at 19:41| Comment(0) | 日記

2024年03月29日

映画のはなし


今日は久しぶりに映画の話題です。
ちょっと忙しい日が続いてあまり映画館に足を運べていませんでした。
「ゴジラ -1.0」「君たちはどう生きるか」がアカデミー賞を受賞するなど邦画が元気でうれしいかぎり。
現在開催中の「高崎映画祭」も盛況なようです。
ということで、今日は邦画を2本。



まずは『夜明けのすべて』。
ベルリン映画祭で招待作品として上映され話題になりました。
生理前になるとイライラが制御できなくなってしまう女性(上白石萌音)と、パニック障害の青年(松村北斗)のお話し。
大きな事件が起きるわけでなく、日常を淡々と描いていきます。
“恋の行方”が気になりますが、然にあらず、物語は恋愛を超えた友情へと昇華していきます。
他者にはなかなか理解してもらえない内面的な障害を抱える人の“生きづらさ”。
思いやることができずに“普通”という刃を向ける周囲の人々。
映画を観ながらついつい考えてしまいました、、、 「最近の俺、やさしさ足りてるかな!? 独善的になってやしないかな!?」
“思いやり”の大切さを心に刻みました――


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先週公開の『四月になれば彼女は』。
45万部を超えるベストセラー恋愛小説の映画化とあって観客は春休みの女子高生や若いカップルが多い中、ジジババ老夫婦2人で観に行ってきました。
物語は壮大なスケールで描かれていて、とうの昔に青春時代が過ぎ去った私でも胸がチクチクしました(^O^)
主演の長澤まさみは安定した素晴らしい演技で恋人役の佐藤健と息もピッタリ。
『正欲』のガッキーは一皮も二皮も剥けた驚きの役を見事にこなしましたが、長澤まさみはいい意味で普遍の長澤まさみでしたよ。
おススメです!


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私的には森七菜が健気で可愛くて、、、
光る演技に一発でファンになってしまった(*^^)v


それにしても、劇中のボリビアのウユニ塩湖がスター・ウォーズの惑星クレイトにしか見えない、、、
SW史上最低の駄作「[ 最後のジェダイ」、、、
もはや私には“トラウマ”だ (T_T)










posted by るしあん at 20:34| Comment(0) | 日記

2024年03月26日

頼れるじいさん達


先日は久しぶりにトマトをハウス栽培しているおじいちゃんと話す機会がありました。
その方は、今ではメジャーになったフルーツトマトの先駆者なのですが、栽培を始めた頃はいろいろ失敗を経験したそうで、、、
ある冬の日、夕方から降雪で気温がかなり下がったので一晩中ヒーターをガンガン焚いたそうです。
ところが翌朝ハウスに行ってみるとビニールは真っ白に凍りつき中の地面も白くなっていました。
凍らなかったのはヒーターを中心とした半径2メートル程。
幼苗はほとんど全滅状態、、、
ビニールの断熱効果の無さに愕然として、ビニールハウスの中にもうひとつビニールハウスを作り、翌シーズンからは順調に育てることができたそうです。



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今回の能登半島地震ではビニールハウスに自主避難している家族が報道されていました。
トマトのプロのおじいちゃんは、テレビ映像でそのハウスの断熱効果の乏しさがすぐにわかり「厳冬期のビニールハウスでの避難生活は心もとない」と心配になったそうです。
トマトハウスは今、ビニールではなく二重ガラスを用いたガラスハウスになっています。
東北の大震災の際、この辺りも強い揺れだったのですが、ラーメン構造の耐震設計になっているのでヒビひとつ入らなかったそうです。
一緒に話しを聞いていた近所のじいさん達も、「そんじゃあ、でっけえ地震が来たら、○○ちゃんちのハウスにみんなして避難させてもらうべえ」と、さっそく自主避難ルートを確認していました。



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うちの行政区(自治会)では、現在、井戸が掘ってある家は13軒あります。
そのうち半数が電気ポンプによる揚水で、6基(本!?)が手動。
電気ポンプとはいえ、農家なので発電機を所有しているので停電が起きても水を汲み上げる事は可能だそうで、、、
役場のハザードマップを補完する形で、元区長のじいさんが調査して井戸の場所を地図に書き込んでくれたんです。
「今度は、ハウスとか鉄骨の農機具小屋も調べて地図に落とし込むかのう。」



なんとも頼もしいおじいちゃんたちだこと !(*^^)v










posted by るしあん at 15:31| Comment(0) | 日記