今日、12月14日は「義士祭」。
赤穂義士が討ち入りを果たした日を記念した催しものが、赤穂市や東京の泉岳寺などで開催されます。
私の友人もコロナ禍前には、四十七士のコスプレでるしあんに立ち寄ってくれました。
毎年、高崎市内にある義士の名を冠したおでん屋さんで開かれるイベントに参加しているとのこと。
コロナで中止を余儀なくされたそうですが、無事、復活したんだろうか!?

私が幼少の頃は、年の瀬のテレビ番組と言ったら必ず「忠臣蔵」をやっていました。
TV映画や1時間ものの時代劇まで、よくもまあこんなに毎年「忠臣蔵」ばかりやるもんだと思ったものです。
母方の祖父母の家に遊びに行っても、歴史好きのお爺ちゃんのせいで大好きなアニメを見せてもらえず悲しい思いをしたものです。
講釈師界隈では「夏はおばけ冬は義士でメシを食い」なんて川柳があったほど。
以前、友人たちと高崎の件のおでん屋さんに飲みに行った時のこと。
当然、「忠臣蔵」の話題になったのですが、藤岡に住む友人は「子どもの頃からずっと“縁起が悪い”との理由でじいさんも親父さんも忠臣蔵を見なかったので、自分も一度も見たことがない」というのです。
その理由は後述するとして、、、
群馬は古くから上野国(こうずけのくに)と呼ばれてきました。
常陸国(ひたちのくに:茨城)、上総国(かずさのくに:千葉)と並んで、天皇家(親王)の領地だったのです。
ですから、「上野守(こうずけのかみ)」は親王が務め、その補佐役として武家が「上野介(こうずけのすけ)」という役職に就いたのです。
とは言っても、県知事のようなものではなく、あくまで“肩書き”。
赤城山に徳川財宝を隠したとの都市伝説で有名な小栗上野介(おぐりこうずけのすけ)は、上野介を名乗っていても幕府の仕事は江戸勤務の「勘定奉行」でした。
元々、小栗家は上野国権田村(倉渕)が領地ですが、上野介を拝する前は豊後守。
実際のところ幕府から帰農許可を得て権田村に移住するまでは、群馬にはそれほど縁は無かったのです。
ところがその移住生活も官軍に斬首されるまでのわずか2ヶ月間だけという悲劇だったのです。
利根川を俎上する船団に小栗の姿を見たという噂が、その名前と相まって赤城山埋蔵金伝説を生んだのかもしれません。

さて、もう一人、「上野介」で最も有名な人物といえば何と言っても「吉良上野介(きらこうずけのすけ)」。
忠臣蔵の敵役「吉良義央(よしひさ)」です。
忠臣蔵のせいで吉良家は天下の悪者扱いですが、吉良家は元々由緒ある家柄。
吉良家は「高家旗本(こうけはたもと)」なのですが、この高家とは朝廷と幕府を取り持つ超重要なポストなんです。
天皇家に近い武家なので格式が高く、かなりの権力を有していました。
もしかしたら上野介はホントに高家以外の大名をただの「田舎侍」くらいに見下していたのかもしれませんね。
吉良義央の上野介という呼称は小栗同様、単なる肩書きでしかないのですが、義央にも群馬とは浅からぬ縁があるといいます。
実は、この吉良上野介、群馬の白石(藤岡)で産まれたという説があるのです。
義央の祖父は徳川から上野国白石村を拝領して陣屋を置いていました。
当時、江戸から伊香保に湯治に出かけていた義央の母がその帰路、産気づいてこの陣屋で義央を産んだのです。
史実では江戸生まれとなっていますが、地元では“白石生まれ”と言い伝えられているのです。
今でも藤岡市白石の陣屋跡には上野介が産湯に使った井戸が残っているそうですよ。
そんな伝承により、藤岡には高家吉良を敬っている人々がたくさんいるのです。
かつて白石村では忠臣蔵の興行を行うと「火の雨が降る」と恐れられ、この地で芝居を演じることは御法度とされたそうです。
それがどんな風に伝わったのかは判りませんが、「忠臣蔵を見ると悪いことが起きる」という戒めに変化したようです。
こんな理由から藤岡の友人はテレビで忠臣蔵を見ることなく育ったのです。
そうそう彼はその白石地区に住んでいます。
正に、生粋の“吉良派”ですよね (^^ )
最近の研究によると、忠臣蔵に語られる討ち入りの一件。
「実は幕府の陰謀だった」との説が有力なんだそうですよ。
幕府は刃傷沙汰以降、吉良の江戸屋敷を警備の薄い郊外に移したり、大石内蔵助などの動向を把握していたのに見て見ぬふりをしていたのだとか。
将軍に近い幕臣にしてみれば、朝廷に近く力を持ち過ぎた吉良高家が目障りだし、赤穂浪士をヒーローに祭り上げれば「忠義」が見直され、「武士の価値」が上がる、というまさに一石三鳥。
幕府が裏で手を回して吉良上野介を始末した(殺すよう仕向けた)というのが真相なのかもしれないそうですよ (;O;)キャ〜
信じるか、信じないかは貴方次第です!(*^_^*)

「中心がグラッと、忠臣蔵。」
私が幼少の頃、テレビで見たトリオ漫才のギャグです。
このブログを書きながら、突然、思い出した(*´∀`*)