2025年02月24日

出生の秘密


今日の地元紙のオピニオンの記事が面白いのです。
東北某県出身の奥様やそのご家族に「焼きまんじゅう」が不評だったというのです。
「こんなに美味しいのに」と思う夫との隔たりは大きいようで、、、

群馬県民にとっては、「焼きまんじゅう」といえば縁日やイベントで食べた思い出があり、また幼少期より慣れ親しんだ味でもあります。
私が子どもの頃は焼き芋屋さんのように軽トラで焼きまんじゅう屋さんが自宅前まで来てくれましたので、みんなで囲んで食べた“家族団らん”の思い出もあります。
つまり、名物にはバックヤードというか、そこに暮らす人の背景の様な「味以上のプラスアルファ」が存在しているのでしょう。
その「慣れ親しんだ」ということが“味覚”を形成する重要な要素なのかもしれません。

それが
「名物に美味いものなし」、しかしその地で育った人にとっては「こんなに美味い名物、他になし」
ということになるのでしょうね。



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さて、昨日は「コメ不足解消のため輸入米が増えるのでは」との危惧を書きましたが、、、
今日は前述の焼きまんじゅうの観点でコメについて考えてみましょう。

日本で栽培され食されているコメは“コシヒカリ”や“あきたこまち”“ササニシキ”など実に豊富な種類がありますが、それらはすべて「ジャポニカ種」。
それに対して海外で作られているのは「インディカ種」です。
パラパラのインディカ米に慣れた外国人にとって、日本のコメはベチャベチャ、ネットリで不評でした。
幼少の頃より食べていた自国産のコメの方がずっと美味しいと感じるのは当然です。
逆も然り。我々もインディカ米を美味しいと感じることはできません。

ところが、ここ数年で日本のコメを取り巻く環境は大きく変化しました。
海外で日本食人気が高まり、かつては寿司くらいしか日本のコメを食べる機会はありませんでしたが、今ではおにぎりや、牛丼、カレーなどのチェーン店が各国で展開していて、ジャポニカ米の人気が急上昇しています。
それに伴い、本場の日本食を目的に来日する外国人観光客も急増しています。
正に市場供給量を上回る需要となって、昨日書いた通り「消えた」んじゃなく「足りない」のです。

日本と似た気候のカリフォルニアはインディカ米の一大生産地ですが、昨今ではジャポニカ米の生産に乗り出しています。
こうして浸透していけば、子どもの頃からジャポニカ米に慣れ親しむ人たちが増え、日本のおコメの本当の美味しさを知る外国人が増えていくことでしょう。


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政府は日本国内ばかりを見ていないで、世界のすう勢に目を配りながら農業政策を行うべきでしょう。
以前も書きましたが、そろそろ減反政策・価格調整に見切りを付けて、増産に舵を切る時なのではないでしょうか。
国内市場+防災用備蓄米の需要を上回る供給(生産)量は、積極的に輸出し、政府外交筋は米価安定のために海外販路確保、量の適正化を政策としてほしいものです。
それにもう一つ。備蓄米は古米、古々米までに。
三年古米は味の劣化が進み、いくら非常食とはいえとても食べられたもんじゃありません。



うちの近所の田んぼの若衆の農業法人では、前述の話しと逆に、国内でインディカ米の生産を始めています。
エスニック料理を提供するレストランの契約栽培だそうです。
ナシゴレンやパエリアなど、インディカ米の方が料理に適していて日本の米より美味しく食べられるメニューがたくさんあるそうです。

もしかしたら、国内においても若者を中心にインディカ米に慣れ親しむようになっていくのかもしれませんね。




さて、最後におコメのルーツの話しをチョットだけ――

学校では、「ジャポニカ種は中国の長江流域で生まれ、インディカ種はインドのインダス川流域で生まれた」と習いました。
こう覚えている方も多いと思います。
ところが、遺伝子研究が進歩した近年、ゲノム検査の精度も飛躍的に進みました。
そして、両種のゲノム解析を行った結果、
「ジャポニカ種もインディカ種も中国広東省の珠江流域が原産地である」
ということが判明したのです。
今まで日本のお米と外国のお米は「遠い親戚」と思われていたものが、実は「近い兄弟」だったのです。

科学の進歩で古い常識は通用しなくなったという一例です。



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今度、サラ・ミラの教科書を借りて勉強し直そうかなあ(*^_^*)













posted by るしあん at 21:00| Comment(0) | 日記

2025年02月22日

消えた?


私が作る米の量なんてたかが知れていますので、保存は6俵(12袋)が収まる保冷庫が2つ。
冷気が循環するように1台に10袋しか入れていませんが、、、
それでも、場所は取るし電気代も馬鹿になりません。


連日、テレビで報道されている「消えた21万d」ですが、稲作百姓の私としてはどうにも信じ難くて。
何しろたった1d弱の保存にだって場所とお金がかかるのに、、、 それが21万dでしょ。
いったい保存するのにいくらかかるのでしょう!?
間違いなく億単位のお金が必要だと思います。
テレビではセンセーショナルに「背広姿の中国人が現ナマで買ってった」なんて伝えていましたが、、、
外国人ブローカーの購入も実際にあったのでしょう。
でも、そんなのなんて、それこそ数d、多くたって十数dくらいのわずかな量なのではないでしょうか?
転売ヤーが思いつきで転売しようったって、保管にかかる経費に莫大なお金が必要です。
コメを投機目的のマネーゲームにしようとしても「先物」ならまだしも「現物のコメ」でやろうとするのはチョット無理があると思うんだけどなあ。



昨夏の「令和のコメ騒動」に危機感を持った外食産業が新米を早期に大量に買い付けたのが大きな要因じゃないのかなあ。
昨年のように、仲買人に発注しても「納品遅延」「在庫なし」なんて回答じゃ外食チェーンも安心できませんからね。

また、仲買人の中には同じく危機感からJAに先んじて農家から買い付けた人(法人)もいたんでしょう。

要は政府が言うように「消えた21万d」じゃなくて、真実は「足りなくなった21万d」。
もっと正確に言えば、昨夏のコメ騒動を受けて早場米農家は8月、9月に17万dを先行出荷しているので「足りなくなった38万d」ってことなんでしょう。
政府としては「足りなくなった」なんて言えば、自らの“政策の失敗”を認めることになっちゃうので、これまで減反政策で米を作らせないようにして散々“百姓イジメ”をしてきた手前、“消えた”なんて表現を使っているんだろうなあ。


でも、不思議なのは、、、
森友の改ざん文書然り、日米密約文書然り、、、
「有る物を無い」というウソが得意な政府は、今回のコメに関しては「無い物を有る」って偽ってるわけで、、、
農業関連の票を失いたくないジミン党は、どうしても転売ヤーを悪者にしておきたいのでしょう、、、知らんけど、、、

まっ、備蓄米を放出しても値下がりは一時的で、コメ騒動の前の価格までには下がらないのでしょうね。
でも、今の価格高騰は極端すぎますが、稲作農家にとってはこれまでが低くすぎるので@600円/1sくらいで落ち着くのがいいと思うのですが、、、



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定年農業なんて言葉もありますが、サラリーマンを卒業して新規に就農するのには稲作は結構ハードルが高いのです。
トラクター、田植え機、コンバイン、刈り払い機などなど、必要な道具はたくさん。
なにより難しいのは、水利を確保できる田んぼを探すこと。
減反政策により畑に転用してしまった所を水田に戻すのは容易ではありません。
特に、根菜を作るために、粘土質の表層と支持基盤が混ざるほど深く耕してしまった畑では保水能力が落ちてしまい田んぼとしては機能しません。
新規就農でコメを作ろうとするなら、離農するおじいちゃんから“そのまま、そっくり譲り受ける”のがベスト。


つまり――

政府がこれまでの政策の過ちを認めて、
「ごめんねー。おコメが足りなくなっちゃたから減反やめて、いっぱい作ってよー。」
なんて言っても“すぐには増産できない”ということなんです。





さてさて、永田町のセンセー達は、この「令和のコメ騒動」「米価急騰」を次の農業政策に活かすことができるのだろうか?

まさかとは思うけど、トランプのご機嫌を取るため、「足りない分はアメリカから“國寶(こくほ)ローズ”や“錦(にしき)”を買うかあ」なんて言い出さないでよ (`´)




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稲作百姓の私からちょっとアドバイス
もし、ネットなどで輸入米を購入する時は必ず「NON−GMO」と表記のあるものを!
GMOとは遺伝子組み換えのこと。
農薬耐性に遺伝子を組み替えられた稲は、強い除草剤や殺虫剤を浴びている危険性があります。
やむを得ず輸入米を買う場合は「非遺伝子組み換え」を買いましょう!









posted by るしあん at 20:30| Comment(0) | 日記

2025年02月16日

またか


トラクターと刈払機が同時に壊れたと書いたのは昨年の秋のこと。
痛い出費を嘆いたのも束の間、今度はよりによって冷蔵庫とテレビが同時に故障してしまいました(T_T)
家電が壊れる時って、どうしてこうも「同時」に起きるのでしょう。
しかも、冷蔵庫とテレビなんて、、、両方とも生活必需品だし、、、値段はメチャクチャ高いし、、、

テレビは諦(あきら)めて、せめて冷蔵庫だけでも修理できないものかと買ったところの量販店に行ったのです。
量販店ではさっそくメーカーに修理依頼を入れてくれて、翌日にはメーカーの担当者が来てくれたのです。
冷蔵庫のモニターの点滅の回数を数えて、庫内の匂いを嗅いで、
「ガス漏れですね。冷却液がモーター配管に流れ込んでモーターが動かなくなったんです。
部品は既に製造されていないものなので修理は不可能です。」
とのこと。
この間、ほんの数十秒の検査。
挙げ句、スカした顔で、
「出張料金の方が3,800円となります。」

「てめえ、ふざけたこと抜かしてんじゃねえぞ。そんなもん、電話で点滅の数を訊いて、中で異臭がするかを尋ねればいいじゃねえか。このクソ野郎!」と、心の中で叫びながら、怒りを飲み込んで泣く泣く3,800円を払ったのです。
まるで、刈払い機の時のデジャヴ、、、
そして、新しく買う冷蔵庫はこいつんとこ以外のメーカーの物を買うことを固く心に決めたのでした、、、



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みなさんは、冷蔵庫を買う時は何を基準に選んでますか?
性能? 容量? 価格? 保障? メーカー?
それぞれの方が多様なこだわりをお持ちでしょうが、私の今回の冷蔵庫選びの基準は一択!
「今までのと違うメーカーで、分割支払いの回数を一番多くしてくれるもの。」
チョー厳しい家計で20万円近くも一度に支払うなんて絶対無理だし、テレビも新調しなければならないし、、、

ということで、頑張って探して520g、19万円弱、60回払い(金利手数料無し)を買ったのです。
そして、テレビも格安掘り出し物を探すことができました。
こちらは、初売りの時の展示品なのですが、通電していないまったくの新品。
50型の4Kでネット動画も綺麗に見えるエンジン、、、これを5万円以下で買ってきたんです。
2月に初売り商品を見つけるなんて我ながらいい買い物しました (*^^)v



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ところが女房は、冷蔵庫は大喜びしたもののテレビはちょっと不機嫌、、、
「こんなでかいテレビどうやって置くのよ!」

ということで、余分な仕事を増やされたと怒る女房と一緒に、腰をかばいつつヒーヒー言いながら居間の模様替えをしたのです。
テレビのためにタンスをずらし、衣装ケースを2階に運び、、、




それにしても、家電ってどうしていつも同じ時に故障するんだろ!?

次は一体、何と何が故障するのだろうか、、、あ〜、こわいこわい。

くわばら、くわばら








posted by るしあん at 22:28| Comment(0) | 日記