2025年03月23日

盗賊のはなし


術後にまた腰痛が出始め、鍼灸マッサージ医院に通うようになってかれこれ丸2年が経ちます。
縁あって開店当初から盲学校の子ども達とお付き合いが始まり、今はOBの鍼灸師さんのお世話になって、そうしてどうにか歩けているのですから、縁とはつくづく不思議なものです。
そして、身体的な面だけでなく、通院帰りに必ず女房と二人でランチをするのが恒例になっていますので、夫婦円満にも針が効いているようです(*^_^*)

先日、鍼灸の帰路、立ち寄ったお店で久しぶりに「さつま白波」を飲みました。
有名でお手頃価格で広く流通している銘柄なので、逆に日本食店に置いてあるのが珍しい。
同級生が営む蕎麦屋では「三岳」「赤兎馬」珍しい色の「霧島」、るしあんでは「明るい農村」「薩摩茶屋」「黄色い椿」など、多くの店で白波よりちょっとレアなものを提供しています。
こだわりの強い居酒屋の大将が「赤星」(サッポロビール)を出しているようなものなのかなあなんて思っていたら、、、
いや〜、これがなかなか美味しい料理を出してくれるお店で、「さつま白波」も美味しく飲むことができました。



さて、白波(白浪)といえば、飲兵衛の私がまず思い浮かぶのは焼酎ですが、一般的には歌舞伎の「白浪五人男」ってとこでしょうか。
白浪五人男は弁天小僧が主役の盗賊のお話し。
歌舞伎に疎(うと)い私でも
「問われて名乗るもおこがましいが」「知らざあ言ってきかせやしょう」
のフレーズは子どもの頃から知っています。
半世紀も前に放送が始まり、夢中になってテレビを観た「ゴレンジャー」はこの白浪五人男がベースになっているのは有名な話し。
さすがにゴレンジャーは「問われて名乗るもおこがましいが」とは言いませんが、戦闘の前に「アカレンジャー」と名乗りを上げるのは歌舞伎の様式美をそのまま取り入れています。



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話しは少し脱線しますが、戦闘前に名乗りを上げるのは、自分の功名と相手への敬意からで、武士の美徳とされてきました。
元寇の際には、敵の面前に立ち「やあやあ、我こそは」と言ってる間に、「あいつあんなところで何を大声を出しているんだ!?」と元の兵士の格好の的になって、多くの武士が矢で射殺されてしまったそうです。
そういう意味では、戦隊ヒーロー物に登場する敵役は、武士の心得を持つ“ちゃんとした悪者”ということになるのでしょうね。



話しを戻します。
では、なぜ「白波(白浪)」が盗賊を表わすようになったのでしょう?
これは西暦184年まで遡ります。
中国後漢も終わりの頃、「黄巾の乱」が起きました。
太平道の信者が教祖の張角を指導者として起こした組織的な農民一揆です。
五行で土を表わす黄色の頭巾を目印にしたことから黄巾の乱と呼ばれました。
1年ほどで鎮圧されたのですが、農民軍の残党が山東省にあった白波谷に立てこもり、抵抗や略奪を繰り返したのです。
そして付いた名が「白波賊」。
これが白波が盗賊を表わすようになった由来なのです。



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「白浪五人男」は河竹黙阿弥の代表作ですが、ほかにも盗賊が活躍する「白波物」をたくさん残しているのです。



日本の3大ヒーローといえば、この「ゴレンジャー」に加え、「ウルトラマン」「仮面ライダー」です。
半世紀も前に登場したこれらヒーローはシリーズ化して今も愛されて続けています。
我が家も3世代に亘って、これらヒーローに夢中になっています。
そして、今や、日本のみならず世界中でファンを獲得しているのです。
こうしたコンテンツ産業は、日本の新たな海外戦略の重要な要素になるまでに成長を遂げました。
“たかが”特撮、“されど”特撮なのです。


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中国の谷に潜んで悪さしていた盗賊もまさか2000年後の遠い未来に自分達がネタ元になったヒーローが世界中で活躍しているとは夢にも思っていなかったろうなあ……

いや〜、歴史って実に面白い!!!











posted by るしあん at 19:05| Comment(0) | 日記

2025年03月22日

ラーメンのはなし


四半世紀も前の話し。高崎イオンモールの前進となるマックスバリューがうちの近所にあったのです。
広い敷地には回転寿司や喜多方ラーメンの店舗があって、当時はよく子どもたちと一緒に食べに行きました。
わざわざ福島まで行かず美味しい喜多方ラーメンが食べられたので重宝したものです(*^_^*)


ラーメンは広く愛され国民食の地位を獲得して久しいですが、今や海外でもたくさんのファンがいて日本を代表する料理のひとつとなっています。
人気店には日本人のみならず多くの外国人観光客も行列を作っています。
喜多方や栃木県佐野では、ラーメンがインバウンド獲得の重要なコンテンツになっているようです。



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日本で最初にラーメンを提供したのは浅草の来々軒といわれています。
時は明治の終わりの頃。
横浜税関に勤めていた尾崎貫一氏が、南京町(横浜中華街)の中華料理に親しみ、職を辞して来々軒を開業しました。
当初は南京町の料理人を招いて「中華そば」「ワンタン」「シューマイ」の3種類で営業したそうです。
当時、浅草は文化、芸能の中心であり、文人、喜劇役者などが中華そばに惚れ込み、口コミで評判が広がったのだとか、、、
今風にいえば作家や芸能人がインフルエンサーになったってとこでしょうか。
この中華そばは元々は日本に移り住んだ華僑がもたらした麺料理。
それが日本の地で今日のラーメンに進化したということで、ラーメンは中国料理ではなく日本を代表する料理と言えるのです。



ご当地ラーメンの代表格、札幌や佐野も大正時代に中国人の料理人が伝えた麺料理が発祥とされています。
ラーメンが全国津津浦浦に広がったのは戦後のこと。

各地域でどれくらいラーメンが食べられているのか、、、 
総務省の家計調査によると、3年連続で山形市が年間支出額(外食)でトップとなっています。
次いで、新潟市、仙台市と寒冷地が続きますが、山形は夏でも名物冷やしラーメンの需要が高く一年を通じて消費が大きいのが特徴です。



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外国人の食の専門家がこんなことを言っています。
「日本以外の国においてもインスタントラーメンが普及しており、ラーメンはスシと並ぶ日本食の代表的存在になっている。
グローバル化時代の日本の“ソフトパワーの象徴”である。」



116年も前にラーメンをこの世に誕生させた尾崎貫一さんは、天国で今日の普及ぶりをさぞかし驚いているんだろうなあ、、、


そうそう、尾崎さんは万博の2,000円もするラーメンをどう思うのかなあ?





ちなみに、私の今日の夕飯。
女房が閃輝暗点でダウンしているので、「ラ王 ゆず塩」を作って食べました。
美味しかったぁー ( ^^)v












posted by るしあん at 22:38| Comment(0) | 日記

2025年03月20日

慰労のお品


もし貴方に有名料亭の3万円分のお食事券が当たったとします。
貴方は何を食べますか? 3万円の懐石コース?
貧乏性の私は一度に3万円もする料理を食べるなんて、な〜んかもったいなくて気が引けてしまいます。
それなら、5,000円の贅沢ランチを6回食べた方がいいかなあ、などとついついみみっちい考えが浮かんでしまいます。


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さて、今日もゲル首相の話題で恐縮なのですが――

ある政治評論家(元某新聞社国会番記者)の話しが面白いのです。
「歴代総理が新人議員に金品を配るのは慣習」と話した鳥取出身の国会議員が慌てて「あの話しは間違いだった」と火消しをしていましたが、、、
評論家いわく、その慣習は実際にあったそうです。
ゲル首相がカクさんに押されて政界に初進出した時、、、
時の首相は我が群馬の中曽根首相でした。
ナカソネさんは新人議員との懇談会で各議員に“3万円分の仕立て券”を配ったそうです。
今の価値で言えばおおよそ倍でしょうから、「お前ら6万円のスーツを着てピシッと決めろよ」って感じだったのでしょう。
ゲルさんはいたく感動し、さっそくテーラーに赴いたそうです。
「この券でスーツ3着作れないだろうか。1着3万円じゃ良すぎるので、1万円のを3つ欲しいのだが。」
テーラーはいい物を着るべきと言ってゲルさんの申し出を断ったそうです。
この逸話は、田舎出身の純朴な青年らしいということで番記者の間では有名だったようです。



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その昔、こんな事が許された時代だったのです。
ゲル首相の頭の片隅には、新人の時の感動が残っていたので、今度は自分が10万円の商品券を配ったって、悪いことをしたなんて感覚は全く無いのかもしれません。

新人議員の方が「これはおかしい」と問題意識を持って首相に積極的に返したとのこと。
若い人たちのほうが「政治とカネ」に敏感で、慣習に対しても疑念を抱いたことはせめてもの救いでした。
物価高や増税に苦しむ国民の感情を肌で感じ取ることのできない老害センセー達には退場をしていただくべきなのでしょう。


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先日はキシダ元首相も10万円商品券を配っていたことが明るみに、、、
さて、こんなことを慣習として歴代の総理がやってきていたとするならば、、、
ゲル首相の言うように「慰労の意味で私費から出した」のなら、あの人はどうだったのだろう。
ジミン党が圧勝し、○○チルドレンとして100人もの新人議員が生まれたあの時。
一人10万円の商品券を配れば、なんと1千万円ものポケットマネーが必要なわけで、、、
こんなことはあるわけないでしょうが、、、
その私費、後で“使い道自由で領収書も必要のない”官房機密費ってやつで補填してませんよね!?
「権力の潤滑油」をまさか私的に流用していたのなら、もはや“国賊”のそしりは避けられないと思うのですが、、、




「慣習や慣例ではないと強気で押し通すのは、もしかしたら出処を探られるとまずいからなのだろうか。」


な〜んて思ってしまう私は、チョット考え過ぎなのだろうか?









posted by るしあん at 22:04| Comment(0) | 日記