昨夜テレビを点けたら池上さんの教養番組をやっていて面白くてついつい最後まで見てしまいました。
都市部と田舎の空き家問題を取り上げていたのですが、、、
田舎の方は文字通り住む人がいなくて家が荒れ果て倒壊の恐れもあって、地域住民に不安が広がっているというもの。
都市部の空き家問題は、タワーマンションの居住実態のない空き部屋に関するもので、これは投機目的で購入したのが原因。
高層のマンションには窓がたくさんあるのに、夜になっても灯りがつく部屋はまばら、、、
住んでいる人にとっては人気(ひとけ)が少ないので不安になり、自治体にとっては住民税が入ってこないという問題が生じています。
自治体としてはタワマンができれば、上下水道などの生活関連施設や消防はしご車や救急車の整備といった行政需要が増大することに対応するための予算が必要になります。
そして今、多くの自治体で、経費が税収を上回る事態が起きているのです。
番組では熱海市の「別荘等所有税」が紹介されていました。
これらの経費の一部を所有者に応分に負担してもらう税制なのですが、今現在、いくつかの自治体においても熱海市を参考にして導入を検討しているそうです。

さすがにテレビではこれ以上の話しは出ませんでしたが、投機目的、転売目的で購入する人の相当数がC国人富裕層なのだそう。
新規分譲の際に納税の自動振替手続きや供託金として予定納税分を預かるなどの手当てをしておかないと、後から「マンション別荘等所有税」を導入しても徴収は至難の業ではなかろうか、、、
私は決して排他主義者ではないのですが、連絡や接触が困難な海外在住の外国人による日本の不動産取得にはもっと規制をかけてしかるべきだと思うのです。
私たちの血税が納税をしていない外国人に使われることが腑に落ちない私なのです。
私って、やっぱ、小さい?

マシュー・ソウルズ著「建築のかたちと金融資本主義」によると、前述のように所有されているにもかかわらず空き家状態の住戸が地域に増えてしまったケースを、街が死んではいないが生きているわけでもないと指摘し、「ゾンビ・アーバニズム」と呼んでいます。
ゾンビとは言い得て妙ですよね。
今、日本のみならず各国で、投資目的の購入や、転売が相次ぎ、「建築」が拝金主義とも言える金融資本主義に飲み込まれてしまう事態が起きているのです。
特に、ザハ・ハディトや伊東豊雄といった有名建築家の作品は金融マネーのターゲットになっているのだとか。
著者はカナダの大学教授であり建築家でもあるのですが、カナダの一例を紹介しています。
「バンクーバー・ハウス」プロジェクトというものなのですが、これは富裕層がカナダのタワーマンションを1戸購入すると、カンボジアのスラムに家が1軒建つシステムになっています。
この「1対1の不動産寄贈モデル」によって、すでに数百軒が寄贈されたそうです。
一見、良い話しのようですが、さにあらず。
著者いわく、金に汚い富裕層がおのれの貪欲さを隠すために「慈善事業」を装っているだけのこと。
まさに「偽善事業」なのだそう。
投機や転売で数千万円もうければ、カンボジア・レートでの数十万円の家など取るに足りない経費なのです。
言い換えれば、「慈善を謳ったロンダリング」!

九州の息子家族はタワーマンション暮らしなのですが、幸い、住民が揃っているそうで、、、
付近に立ち並ぶタワマンもゾンビ化していません。
子どもの就学を機に移り住む方が多いようで、隣近所は同年代の世帯が多くなっています。
小学校は2校が来年には3校に。
近所にはイオンモールがあり、新しいショッピングセンターや温泉センターもできました。
何より嬉しいのは小児専門の高度医療センターができ、それに伴いいくつかの開業医も移転してきているようです。
真新しい活気ある街が形成されています。
ただ、県内の景観に優れた海岸近くのタワマンが投機目的、転売目的に購入されており、夜になっても電気が灯らない窓が多いのだとか。
息子のとこは“たまたま”いい物件に当っただけなのかもしれません。
これから終(つい)の住みかとしてのタワマンを購入する場合は、住民票を移している人の割合や、自治体が「マンション別荘等所有税」などの規制を講じているかなどを管理会社に確認すべきでしょう。
利便性・安全性・景観・ゾンビ化リスクなどがマンション選択の必須条件と心得ましょう!!