2016年06月27日

早朝の田んぼにて

田植え以降、水管理のため、毎朝5時に田んぼに出ています。
梅雨のこの時期は、雨上がりの朝は特に青い苗がキラキラ朝日に輝いて、見ているだけで元気になれます。
時々、田んぼのあぜ道を愛犬と散歩されている方を見かけます。
日中は道路も焼けるし、涼しい早朝に愛犬と一緒に自然をめでるのも健康的でいいものですよ。

asatanbo.jpg



映画監督の河瀬直美さんがこんなエッセーを書いています―――

5月に入って蛙の声が大きくなり始めた。
(中略)
そうこうしているうちに山際から太陽の光が差してくる。
すると一気に辺りの空気が暖まり始める。
わたしの身体と心もざわめきはじめる。
作物も同じなのだ、と直感する。
夜が来て、朝になる。
この繰り返しの中で彼らもまた成長し、子孫を残すべく実をつけ、種を残す。


まさに河瀬さんのおっしゃる通りなのです。
早朝の畑や田んぼに太陽の光が差し込むと、そこにいる私も身体と心がざわめきはじめるんです。

TPPに関して政治家のセンセ達は「海外に負けない農業」云々を論じます。
マスコミも国際競争力を発揮している農家や農業法人の取り組みばかりを取材します。
しかし、私は百姓ですが、別に農業で戦っているわけではないのです。
田畑で汗を流し、実りに喜ぶ。
おいしいと言って食べてくれるお客さんや孫の笑顔に喜ぶ。
日の光に輝く作物の景色に喜ぶ。
ただ、それだけなのです。



河瀬さんのエッセーはこう結ばれています―――

グローバル化にどう対応していくか、国際競争力を身に付ける若手の人材育成など、政府挙げての取り組みに反対している訳ではない。
むしろ、そこを強化するためには自らの足元、家族という最小単位の社会をどう捉え、育もうとしているのかということにまずは力を注ぐべきではないだろうか。


N-Kawase.jpg
(河瀬直美監督:インターネット画像転載)


河瀬さんは奄美出身。
奄美のことわざに「七代先のことを考えて物事を興せ」というものがあるそうです。
これはつまり、目先のこと以上に子孫に残せるものに思いを馳せよ、という生き方の哲学なのでしょう。

子孫への思いとは、逆に祖先への思いでもあるのです。
ご先祖様への感謝の思いと重なって、逝ってしまった人ではあるのに、その人に申し訳が立たないという理由で継承されてゆくのですから。


ご先祖様が残してくれた風景。
朝日をあびて、身体と心がざわめくような自然や田園風景を孫やその先にも残してあげたいなあ。


posted by るしあん at 08:00| Comment(0) | 日記
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