2019年06月23日

輸入感染症


先日の定休日、アロマを経過観察で獣医さんのところに連れていったら、めずらしく空いていました。
どこのご家庭もそろそろ狂犬病とフィラリアの投与が終わった頃なんですね。

狂犬病といえば、先日、商社にお勤めのお客様から聞いた話し。
赴任先から愛犬を連れて帰ろうとしていたんですが、狂犬病発生地域からだったので大変だったとのこと。
現地で飼い始めた大事な家族なので、どうしても一緒に日本に連れて帰りたかったそうです。
住んでいたのが片田舎だったので、まずISO規格のマイクロチップを扱う獣医を探して埋め込んでもらい、狂犬病予防接種を受けて、、、
今度は指定検査施設に連れて行き、抗体検査を受けて、その証明を日本の農水省機関に送って、それから空港検疫所で輸出前待機をして、、、
面倒な手続きだったけど、帰国前にきちんと書類を整え、やるべきことをちゃんと済ませておいたので、日本の検疫所では即日引き渡しで一緒に帰れたのだとか…

話しを伺うと確かに面倒な手続きではあるのですが、だからこそ日本から狂犬病を駆逐できたのでしょうね。
海外からの病原体を日本に上陸させないというのは、そこまで徹底的にやらないと効果はないのでしょうね。


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さて、これが、農産物や海産物の場合はどうでしょう?

すったもんだの議論を経てようやく昨年末、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)が発効しました。
TPPは包括的な自由貿易協定です。
関税引き下げにより第1次産業分野が打撃を受ける懸念があることばかりが報道され、「輸入感染症」についてはあまり論議がされませんでした。

TPP関係国から安価な農作物や水産物が大量に輸入され、それらが病原体に汚染されていた場合、国内に流通することで感染症が発生するリスクがあります。
これを「輸入感染症」と呼びますが、特に、日本ではほぼ駆逐された病原体が輸入元の国々で流行していた場合、抗体保有率が低く、いわば“ノーガード”の状態でパンチをくらうことになってしまいます。

事例@
ドイツ東部で患者数1万人を超えるノロウィルス感染症の集団発生が起きました。
原因は、中国で汚水によって栽培されたイチゴが冷凍イチゴとして輸入され流通したことでした。

事例A
スペインでは、A型肝炎ウィルス感染症が度々発生。
南米から輸入した二枚貝が発生源であることが特定されたが、この二枚貝は汚水で汚染された海域で獲れたものでした。
輸入した汚染二枚貝の流通が感染症を広げてしまいました。


これらの事例で明らかなのは、
「これからは、他国の汚水処理の状況まで気に掛けなければ、自国民の安全まで守れない時代が到来した」
ということなのです。


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海外の汚水処理インフラの構築は、国際貢献と自国民の命と健康を守る実益の両面を兼ねています。

国連でも持続可能な開発目標のひとつとして、
「全世界の人々が改善された飲み水とトイレを使えるようにする。」
としています。


これからは、まさに『水』がビジネスの中核になるといっても過言ではありません。

グローバルな水ビジネスの市場規模は下水関連だけで年間20兆円以上との試算もあるようです。
もはやODAなどの政府主導ではなく、多数の民間企業が参入している分野なのです。



私達消費者も単に安いからというだけで買うのではなく、それがどこで獲れたものか、安心して食べられるものなのかを考えて買うようにしなければなりません。
特に、抵抗力の弱い小さなお子さんやお年寄りのいるご家庭は注意が必要です。



“輸入感染症に備える”ということは、愛犬のみならず、私達自身の“食のリスクマネージメント”ということに他なりません。



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posted by るしあん at 19:47| Comment(0) | 日記
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