2020年07月26日

英単語から探る英中関係


『三顧(さんこ)の礼』と言えば、日本では三国志における劉備の諸葛亮孔明スカウトの場面で有名ですが……

イギリスにおいては、『三跪九叩頭(さんききゅうこうとう)の礼』の方が馴染み深いようです。

「ラストエンペラー」などの中国が舞台の映画では、たびたび紫禁城が登場します。
そして、その紫禁城の前庭で数万の臣下が、皇帝の前で「跪」の号令でひざまずき、「一叩」の号令で土下座で額を地面に打ち付け、「再叩」で2回目、「三叩」で3回目、「起」で立ち上がり、この動作を3回繰り返す、、、 こんなシーンが出てきます。
3×3で合計9回、額を地面に打ち付けて皇帝に尊敬の念を示し忠誠を誓う作法です。
古くは『五拝三叩頭』という形で神仏やご先祖様に対して行っていた作法が、清王朝の時代に皇帝への礼として変化したようです。

この“叩頭”が今は“kowtow”という英語になり、残念ながら「こびへつらう」というあまりいい意味ではなく使われています。


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歴史的には、18世紀末、通商条約締結交渉に清朝を訪れたイギリス外交使節に清側は「三跪九叩頭の礼」を要求。
イギリス側はこれを断固拒否しました。
イギリス式の礼(片膝を就いて頭を下げ親書を奉呈)を通したマカートニー外交官は結果的には条約を結べませんでしたが、本国イギリスにおいては媚びへつらうことのなかった態度を高く評価されたようです。

時代は下りキャメロン政権時代。中国重視の政策に大きく舵をきりました。
財務相などは、イギリスこそが中国の「西側における最高のパートナーになる」とまで言っています。
李克強首相の訪英時には、国家元首にしか謁見しないエリザベス女王と面会する機会を調整したものですから、国民の目には中国に媚びへつらったと映ったようです。
当然、保守派からは「経済のために誇りを捨てた」とキャメロン政権に対し批判が沸き起こることとなったのです。
「金のためにキャメロンは“kowtow”した」という具合。



その後のメイ政権や、今のジョンソン政権は中国との関係見直しを加速させてきましたが、今回の香港問題(国家安全維持法)が決定打になりました。
「1国2制度」で合意していたのにも関わらず、簡単に反故した中国にとうとうブチ切れてしまった、、、

経済を考えると中国と衝突するのはイギリスにとっても打撃。
それでも、「中国には我慢ならん!」ということなのでしょう。



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英単語をもうひとつ、、、
“Chinese wall”
直訳すれば「中国の壁」ですが、その意味は「大きな障壁」となります。
万里の長城(Great Wall)に由来した言葉です。

今や、「コロナ禍に乗じた一党独裁国家の横暴なふるまい」こそが、「大きな障壁」そのものなのです。



日本はこれから目の前に立ち塞がる中国という「大きな障壁」にどう立ち向かっていくのか。
イギリスにおいても日本においても、“親中”という名の「黄金時代」は、もはや遠い遠い昔(Long Long Time Ago)のお話し……



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posted by るしあん at 23:03| Comment(0) | 日記
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