2020年11月24日

あなたは操られていないですか?


「ラジオと拡声器で8,000万人が考えを奪われた。人々の服従は、こうした装置で可能になった。」(ナチス・シュペーア軍需大臣)
当時、ラジオが国民煽動の道具となることに、いち早く気付いたのがナチスでした。


現在その役を担っているのは、さしずめ“SNS”ということになるのでしょうか?
「えっ、SNSでは煽動できないんじゃないの?」とお思いの方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、恐いことに、民意を操る仕組みはあるんです。
クリストファー・ワイリー著『マインドハッキング』(原題:マインドファック)に紹介されている手法が結構エゲツないんです。

著者のC.ワイリーはイギリスの「ケンブリッジ・アナリティカ(CA)社」の元調査部長で、大衆心理を操る仕組みを作った張本人です。
自分の作ったこの“反社会的仕組み”を悔いて、後に告発本を出版します。
これが『マインドハッキング』(新潮社)なのです。



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このCA社を一躍有名にしたのは、2016年アメリカ大統領選でトランプ氏を当選させたことでした。
そして、同じ年、イギリスにおいては、EU離脱をめぐる国民投票で離脱派を勝たせています。
そのやり方はこう。
まずフェイスブック社から個人情報を秘密裏に不正入手して、CA社が望む側へ投票する可能性の高い標的を絞り込みます(マイクロターゲティング)。
そこに、カスタマイズされた情報を送って怒りや不満をあおって、投票意欲を刺激します。

トランプ氏を勝たせた時は、ポリティカルコネクト(人種差別反対や性差別反対などの政治的公正さ)をウザイと感じている人、リベラル派エリートの態度が鼻に付き苦々しく思っている人、怒りや不満を溜め込んでいる人などをターゲットにして、SNSで刺激して投票行動に結びつけました。

“そんなに簡単にマイクロターゲティングができるんだろうか”と思いますが実に簡単。
あなたもこんな経験ありませんか。
「うちの子にはどんなフードがいいかなあ」なんて検索をかけると、その後からペットフード会社の宣伝バナーがしょっちゅう出てくる。
あるいは、YouTubeで右翼的な動画を観たら次から「おすすめ」に右寄りな動画ばかりが出てくる。
などなど、、、

ビッグデータによって、個人の3しこう(思考、指向、嗜好)なんて、簡単に把握されてしまいます。
そして、悪意を持って、そこを刺激されれば“送り手の望む行動”をしてしまいます。
やっかいなのは、自分ではそれを「させられている」とは気付かず「自分の意思でやっている」と思っているんです。



何もこれはSNSに限ったことではないんです。
例えば日本の新聞でみてみましょう。
「日本学術会議」新会員候補6人の任命を首相が拒否した一件。
朝日、毎日は1面トップで扱い、「学問への権力介入」を大きく批判していました。
読売、日経は社会面で淡々と事実のみを伝えていました。
つまり、同じニュースでも「どのメディアで知るか」で大きく印象は違ってしまいます。

私の塾恩師は生前、毎朝、敷島の喫茶店でコーヒーを傍らに5紙全部に目を通し、帰りにるしあんでランチをルーチンにしていました。
よく「自分の頭で考えて記事に接することが大切だ」とおっしゃっていました。
ちなみに敷島の喫茶店のマスターも先生の教え子。
塾を閉めてからも生徒思いのいい先生でした、、、
この歳になっても教えてもらうことが多かったなあ、、、



話しを戻します。
CA社は、「ビッグデータを用いた権力創造指南役」「利益優先」「倫理ゼロ」が暴露されて、自滅してしまいました。
もしもCA社みたいな不気味な組織が残っていたら、トランプ再選なんてこともあったかもしれません。


では、私たちは“操られない”ようにするためにはどうしたらいいでしょう?

前述のように、新聞の論調は二分されています。
テレビ、とりわけワイドショーは不安や嗜好を煽ってきます(時にスポンサーに忖度しながら)。
ネット情報は細分化されて、ユーザーの関心に沿って表示されます。

私たちに必要なこと、それは“自分の接するメディアの特性を知ること”なのです。
そして、“自分の頭で考えること”が重要なのです。



菅内閣において来年には「デジタル庁」が鳴り物入りで発足予定です。
規制緩和を進め社会インフラのデジタル化を推し進めることを目的とするようです。
しかし一方では、CA社のような脅威を排除する“安全性を守る規制”は是非、強化していってほしいものです。

くれぐれも、内閣支持率を上げるための“民意の操作”なんてお考えなきよう!!




おまけ:
私の好きだった政治家、田中角栄さんはかつて言っていました。
「握手した数しか票は出ない!」

コロナ禍で握手はダメ!
広がるCA社流の工作。
せっせとツイートに勤しむ政治家。
草場の陰でかつての大政治家は何を思うのだろう?




posted by るしあん at 20:57| Comment(0) | 日記
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