2021年03月13日

疫病退散@


「ねえ、サラ。今年の春休みは短くてつまんないね!」
「うん。そうだよねえ!」
先日のこと、ふたりっ子の会話を聞いてふと思い出しました。
そういえば、去年は緊急事態宣言下、小学校は2ヶ月近くも休みになったんだっけ。
もう1年かあ。
あの頃は「我慢すればきっと1年後は良くなっている」と信じてたんだけど、、、
神様もなかなか厳しい試練を与えて下さる (T_T)
サラ・ミラの描いた“アマビエ”も店頭に飾られて早1年、効果のほどはいざ知らず、、、。
とはいえ、家族やお客様が罹患しないで済んだのだから、アマビエ様には感謝をしなくちゃいけないなあ。



さてさて、時は江戸。本八丁堀の長屋に「清次」という者が住んでおりました。
この清次、釣り船の船頭を生業としていました。
お客が来ない日は、自ら海に出て、釣った魚を河岸(かし)に売るという毎日。
ある日、沖でキスを釣って、船着き場に戻って仕分けをしていると船の上に突然、大男が現れたそうな。
背丈は1メートル80センチはあろうか、髪も髭も逆立てた風体です。
「見事なキスだな! ひとつワシにくれんか?」
人の良い清次は、きずのないキスを選んで大男に差し出しました。
すると大男はその場でムシャムシャと食い、満足した様子で、
「お前の名は何と申す?」
清次が名前を告げると、大男は、
「お前は正直者だな! 実はワシは疫病神である。
旨いキスのお礼に、玄関に『釣船清次』と紙に書いて貼っておくがいい。
その紙を見れば、お前や親せきの家には近づくまいぞ!」

半信半疑の清次でしたが、長屋の近所で妻が長い事患っている藤八の玄関先に『釣船清次』と貼り出したところ、本当にたちまち病気が快復するではありませんか。
大男が約束した通り、『釣船清次』の家には疫病神が寄り付かなくなったのです。

暫く後、市中に流行(はや)り病が蔓延した際には、『釣船清次』の紙を玄関先に貼った家の者だけは、病気にかからなかったそうです。



変異株の出現におびえる昨今。
孫たちが描いてくれた“アマビエ”の隣に、今度は“釣船清次”と書いてもらおうかなあ!!




tsurihune01.jpg




ところで、この話しにはオチがあって、、、
実はこの大男、疫病神でも何でもなく、本当は天下の大泥棒だったそうです。
キスのお礼に清次の家には盗みに入らなかったそうですが、清次は元々貧乏長屋の住人なので、泥棒には無縁だったようで、、、

でもまあ、空き巣被害者にとってみればやっぱり疫病神に違いねえ!!




seiji01.jpg




(参考:大田南畝『半日閑話』巻三「釣船清次が事」)






posted by るしあん at 19:16| Comment(0) | 日記
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