2022年11月23日

東の風景


先日、テレビを点けたらNHK「映像の世紀」の再放送をやっていて、久しぶりに歌手ニーナ・ハーゲンを見ました。
ニーナ・ハーゲンといえば旧東ドイツ出身の歌手で、西ドイツ亡命後にそれまで抑圧された怒りを爆発させるかのように奇抜なファッションでパンクに傾倒しました。
着いた異名は「パンクのゴッドマザー」。
東西ドイツを象徴したかのような存在でした。



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しばらく忘れられていましたが、昨年12月(ちょうど1年前)再び脚光を浴びることになったのです。
2021年12月2日はドイツのメルケル前首相の退任式。
ドイツでは首相や大統領などが退任する際、本人が選んだ曲を軍の音楽隊が演奏するのが慣例となっています。
そこで、メルケルさんがリクエストしたのがニーナ・ハーゲンだったのです。
クラシック好きで知られる彼女が“まさかニーナ・ハーゲンを選ぶとは”と驚きをもって報じられました。

とはいえ、選んだ曲はもちろんパンクではなく、東ドイツ時代に大ヒットした「カラーフィルムを忘れたのね」。
半世紀前の歌で、ポップなサウンドで人懐っこいメロディーが特徴です。
「あなたはカラーフィルムを忘れたのね、マイケル」。
恋人が旅先でカラーフィルムを忘れ、記念写真が白黒になってしまうことへの怒りをコミカルに歌っています。
実は、フィルムもまともに買えない東の物不足を風刺しているのですが、歌詞は検閲をかいくぐり、その怒りを笑い飛ばす軽快なポップスが東ドイツ国民に大ヒットしたのです。



メルケル前首相は東ドイツ社会主義政権下で育ち、大学では物理を学ぶ“理系女子”(りけじょ)だったことは有名ですが、彼女いわくこの曲は「青春時代のハイライト」だったのだそうです。

歌詞はこう続きます。
「この国がどれほど美しかったか、今では誰も信じてくれない」。
メルケルさんには、目をつぶれば、東の牧歌的な美しい景色が見えていたのかもしれません。
16年間の任期でヨーロッパをけん引した彼女の原風景が透けて見えます。



多方面で活躍した名宰相の後で、しかも連立政権だから余計に影が薄くなり、ウクライナ戦争によるエネルギー危機の下で指揮を担うショルツ現首相はちょっと気の毒な気もしますが、、、
ロシアはじめ中国、北朝鮮などを起因に世界では不穏な空気が漂っています。
こんな時だからこそ、日本はEU諸国との協力関係が欠かせません。

ただ、ショルツ首相はついこの間(11月4日)、北京で習近平国家主席と会談し、経済のグローバル化を支持するとともに、引き続き中独企業の相互投資推進を支援すると表明しています。
中独国交樹立50周年であることから多少のリップサービスはあったのかもしれませんが、今回の訪中そのものが「政治的シグナル」になったことは間違いありません。

いずれにしても、今後の日独関係は、外務大臣や防衛大臣を長年務めたキシダさんの手腕にかかっているので、期待を持って見たいと思います。



さてさて、今宵は、サッカーワールドカップはドイツ戦。
初戦の相手が強豪ドイツかあ、、、
まっ、相手にとって不足ない! くらいの気持ちで一生懸命応援するぞ!!
がんばれ! ニッポン!!!!







posted by るしあん at 19:50| Comment(0) | 日記
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