昨日に引き続き“税”の話しを。
昨日はネットのネタの受け売りでしたので、今日はちょっと真面目に書きます。
以前、お隣の長野県の地元紙に或る中学生の話しが載っていました。
国税庁の「税についての作文」で入賞した中3の少女が1日税務署長に招かれたそうです。
彼女は生まれながらの心臓病で、生後10日目に大手術を受けたのだそう。
その後、計4回の心臓手術を受け、今ではスポーツもできるようになりました。
少女は難病に助成する国の制度で手術を受けた経過を書き「私は税金に助けられている」とつづりました。
私も弟を難病で亡くしているので、難病治療に対する医療費補助の有難さは誰よりも知っています。
少女と同じく弟も税金の助けで治療を続けられたのです。
実は難病に限らず誰もが医療保険制度により補助を受け税金に助けられています。
しかし、この少女のように医療制度の財源にまで考えを巡らす人は多くないのではないでしょうか。
医療に限らず、舗装した道路を快適に走行できるのも、公民館を便利に使えるのも、ゴミ出しだって税金があればこその事なのです。
反面、「タックス・イーター(税金を喰らう者)」と呼ばれるような税金を食い物にする輩がいるのも事実なのです。
実際は働けるのに就労を拒み生活保護をシレ〜っと受け取る連中然り。
私にいわせりゃ職務を全うしない公務員もタックス・イーターだと思いますが、、、
こうした負の側面にフタをして、税に感謝する作文を書いた少女を表彰するところに国税庁の“いやらしさ”も垣間見えてしまいますが、まっ、そこは、徴税吏の方々もタックス・イーターには忸怩(じくじ)たる思いを抱いていることを信じたいと思います。
さて、ここまで、いろいろ書いてきましたが、私が何を言いたいか、、、
それは、“あまりにみなさん、税金の使われ方に無関心じゃありませんか”ということなのです。
昨日紹介したネットのネタも“いろいろな場面でたくさんの税金をしぼり取られることへの不満をぶちまけて溜飲を下げる”ものでした。
「こんなにも税金を取りやがって!」との怒りはもっともなのですが、もっと「こんな使い方しやがって!」と怒るべきなのです。
まだ1年とちょっと前、21年10月衆院選当選後、1日しか勤務しない新人・元職議員に満額の100万円が支給された文書通信交通滞在費の問題。
あまりの「非常識」さに批判が巻き起こり法改正が浮上したものの、使い道の公開義務をめぐって与野党合意が得られず結局改正は見送り。
半年後にようやく「日割り改正」がされましたが、「使途公開」と「未使用分の国庫返納」は棚上げされたままです。
「ほっときゃ、バカな国民はすぐに忘れるサ」とセンセイ達は高を括っていましたが、まさにセンセイ達の思惑通り、今ではタックス・イーターばりの「非常識」に声を上げる人は誰もいません、、、
元大蔵官僚の志賀櫻氏は自著「タックス・イーター―消えていく税金」(岩波新書)で「日本の納税者は、税がどのように決められ、納めた税がどのように使われているのかをあまり知ろうとしない」と指摘しています。
要因に源泉徴収など納税者が煩雑な手続きをしなくても済む税制の特徴を挙げています。
かく言う私もサラリーマン時代は税を意識するのは年末調整の時くらいで、それも記名捺印して総務課に提出して終わり、、、
脱サラしてからようやく、確定申告で煩雑な作業にあれこれ追われる中で税金を強く意識するようになりました。
そして認知症を患っている父親の確定申告書類も作成しているのですが、、、
なけなしの僅かな年金からガッツリ源泉徴収されていて、医療費控除を受けるためには書類を整え確定申告しなければならず、、、
もし、これが一人暮らしのお年寄りで認知症が始まっていたり、入院していたりしたら確定申告はどうするんだろう。
還付金も受けられず、源泉徴収されたままになってしまう。
簡単な徴収に、煩雑な手続きによる還付、そして制度を知らなければ戻るものも戻らない、
まさに、「税金とは愚か者の罰金」、あるいは「弱者の罰金」ってとこか。
「マイナンバー」を推進するなら、高齢化社会が進むにあたり、年金源泉徴収分と保険証機能をヒモ付けして確定申告無しで医療費控除が自動に行われるようにしたらいかが!?
税金に携わるみなさまは、どうも取る事には智恵を絞るけど、戻す事や無駄使いされている事にはあまり関心が無いようにお見受けするのですが。

ちなみに、先の10月分文通費と歳費を日割りで試算すると、約3億8000万円が浮きます。
3億8000万円で難病の人を何人助けられるだろう?
自戒を込めて言いますが、タックス・イーターをのさばらせないためにも、みなさん、税金に無関心になるのは止めましょう!!