2023年02月12日

ネットの中で、、、


人をさいなむ「いじめる」と、物をもてあそぶ「いじる」は同根の言葉といいます。
そう、人をもてあそぶ「いじり」は、最も陰湿な「いじめ」に他ならないのです。

昨今、芸人が軽いノリで「いじり」という言葉を多用しますが、それはとても危険なこと。
「いじり」はそんな軽いものではないのです。
今日では、サイバー空間での「いじり」は被害者の日常にも入り込んでくるのです。



20年11月、いじめによる自殺をした小学校6年の女児、、、
ご両親によると、女児へのいじめの道具となっていたのは学校が配布したタブレット端末でした。
折しも、教育現場でのデジタル化推進が始まったばかりの時、、、
女児の通っていた東京町田市の小学校では情報通信技術教育の先進校として各児童にタブレットを貸与していました。
両親が同級生から聞き取りしたところによると、チャット機能で女児を名指しした「うざい」「死んで」などのやりとりが交わされていて、本人へも送信されていたそうです。

女児が残した遺書には「おまえらのおもちゃじゃない」と悲痛な思いが綴られていました。
おもちゃをいじるようにもてあそぶ、、、
いじっていた奴らは「単にいじっていただけ」かもしれませんが、それは陰湿で悪意に満ちた「いじめ」に他ならないなのです。



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写真は本文事案とは関係ありません




コロナ禍のこの3年間、学校や学習塾などではタブレットやPCを使ったオンライン授業が「学び」の救世主となりました。
パンデミックのさ中に自宅で授業を受けているサラ、ミラの姿を見て、感染のリスクを避けつつ勉強できることにとても安心できましたし、情報技術の進歩に「便利な世の中になったもんだ」と感心していました。
反面、町田市の事件を思うと、学習や級友とのコミュニケーションに欠かせぬ機器が「いじめ」のツールになる恐ろしさに慄然(りつぜん)とします。



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ここ吉岡町やお隣りの榛東村は財政が豊かなこともあって、いち早く小学校高学年、中学校の全生徒児童にタブレット端末が貸与され、オンライン教育の先進自治体となりました。
町内のM小学校は先進校として、知事はじめ県教委の視察を受けていて、県が推進する「デジタル県」の正にモデル校となっています。
こうした先進的な取り組みを実践している町村の学校にお子さんを通わせている親御さんは、誇らしく感じている反面、“ネットいじめ”に一抹の不安を感じているのも事実。

安心して情報通信操作技術を身に付けるためには、情報リテラシーを学ぶ前に子どもたちはもっと大事なことを学ばなければなりません。




行政や教育に携わる者には、情報端末を子どもたちに渡すならば、それを危険な凶器へと変えぬような教育や仕組みも整えてもらわねばなりません。



12歳の女児が遺書に残した悲痛な叫びは、私たち大人に向けられた言葉だと受け止めるべきなのでしょう――







posted by るしあん at 21:29| Comment(0) | 日記
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