昔、私が通った学習塾は「無名塾」といって、るしあんの側にありました。
恩師は数年前に鬼籍に入られましたが、るしあんの開店時にはよくコーヒーを飲みに来てくれました。
いつか塾の命名の由来を訊こうと思っていましたが、それも今となっては叶いません。
まさか、俳優の仲代達矢さんにあやかった、なんてことはないとは思うのですが、、、

仲代達矢さんの俳優養成所「無名塾」には、どんな役者も無名に戻ったつもりで修業に帰れる場との意味が込められているそうです。
そのため、「無名塾」では発声、歩き方などの基礎を教え込むといいます。
何事も基礎から段階を踏むのは大切なこと。
特に、芸能や武道はより大切にされていて、「守破離(しゅはり)」という言葉があります。
「守破離」とは、、、
・まず、師に教わった型を守る。
・型を発展させる。
・型そのものから離れ、新境地をつくる。
つまり、基礎がなければオリジナリティーは出ない、ということなのです。
小学生の頃、ピカソの絵を見て「こんなの俺でも描けらあ」なんて言ったら担任の先生がピカソの画集を見せてくれました。
そこにはピカソのシュールレアリズム前の若い頃の絵があり、それは見事は写実画でした。
「これもピカソ?」
美大出身の担任はピカソのすごさを教えてくれると共に、基礎となるデッサン力がいかに大事かを教えてくれました。

サラは中学生になり、運動部に入り毎日、ランニングに汗を流しています。
聞けば、仮入部の段階で、走り込みや素振りの繰り返しに嫌気が差し入部しなかった子がたくさんいたそうです。
“根性”という名の下にしごかれた私たち昭和と違って、今の子ども達には“走って基礎体力を付ける”“素振りはすべての基本”、これらを積み上げることで強くなれることを理路整然と説くことが必要なのかもしれませんね。
人生に迷ったら基本に立ち返る、、、案外、「守破離」とは人生訓なのかもしれません。
最近めっきり忘れん坊になった私。
「あれ!? 俺、何しに来たんだっけ?」なんてことがしょっちゅう。
こんな時は基本に返り、元いた場所に戻って思い出すようにしています。
先日、主治医に「認知症が始まったんですかねえ!?」と相談したら笑われてしまいました。
「それは、単なる年齢による物忘れですよ。
認知症になったら、そもそも忘れたということに気づきませんから。」
う〜〜ん、“物忘れ”かあ、、、喜んでいいのか、悲しむべきなのか、、、よく、わからん!!