昨日は投資の話題の中で「空箱会社」の上場解禁(2021年)について書きました。
今日はその話しを少ししてみたいと思います。
コロナ禍にあってもアメリカの株式相場が活況だったのは、「空箱会社」の上場ブームがあったからだと言われています。
さっそく日本でもそれに飛びついて、2021年にアメリカの証券市場に上場を解禁したのです。
「空箱会社」は通称で、本来は「SPAC:スパック」といい「特別買収目的会社」のことを指します。
「SPAC」は自ら事業を営むことはしません。
有望な新興企業を探して合併することのみを目的としています。
買収先を決めないまま上場し、投資マネーを集める仕組みです。
それゆえ「白紙小切手会社」(ブランク・チェック・カンパニー)とも称されているのです。
では、投資家は“何”に投資するのでしょう!?
ずばり、投資家の頼りはSPAC運営者の「目利き力」だけなのです。
買収された新興企業は一夜にして上場企業に変身してしまうのです。
通常の上場準備にかかる手間や時間を省ける利点があるのです。
それまでは、有力なベンチャー企業に投資できるのは富裕層に限られていたのですが、一般投資家も手軽に投資できるということで、個人マネーが流れ込んでいるのです。
一方で、SPACによる上場は、従来の厳しい上場審査を避けられるので、この手法は「裏口上場」との批判があることも事実なのです。
実際、アメリカではSPACを使って上場したベンチャー企業の粉飾決算が発覚して、株価が急落して個人投資家が被害を被る例も出ています。
また、元大リーガーなど著名なセレブをアドバイザーに招くSPACも現れ、アメリカ当局は「有名人が関わっていても良い投資とは限らない」と警告しているのです。
日本人も「あの俳優がCMしているんだから大丈夫だろう」なんて安易な判断を下す人がいますが、SPACに限らずタレントの知名度と商品の信頼度は比例しませんのでご注意を!!

冒頭、日本はアメリカの証券市場に上場を解禁したと書きました。
当時は菅義偉政権。
スガさんは、アメリカの株式市場が活況だということだけで、投資家保護の手当てもないまま、「アメリカ流」に飛び付いたのです。
国内のニュースはコロナ一辺倒で、気に留める国民は多くありませんでした。
「菅政権の置き土産」を引き継いだキシダさんは、さっそく「日本版SPAC」の検討に入りました。
しかし、当のアメリカ本国ではもはやSPACブームは下火になってしまっています。
理由は単純で、空箱会社が乱立して合併する新興企業がなくなってきているからなのです。
しかし、それでもキシダさんは、日本のスタートアップ企業の上場が進むことを期待しているようです。
今、キシダさんはメディアを通じてしきりに投資を推奨しています。
投資は決して博打でも悪行でもありませんので、資産運用には有益な手段です。
しかし、最低限の知識は必要なものです。
その投資商品の真のリスクはどこにあるのかを見極めることが重要なのです。
禍根を残さないためにも、勉強してから投資商品を買うようにしてください。
私個人の意見としては、素人は空箱には手を出さない方がいいですよ、、、知らんけど。