2023年08月17日

蝶の羽ばたき


るしあんを始めて間もなくの頃ですから、もう10年近くも前の話し。
九州の息子を訪ねた時、佐賀の有田まで「焼きカレー」を食べに行ったのです。
美味しいと評判のお店で、カフェでの提供のほか、駅弁としても売られているとのことで是非食べてみたかったのです。
「有田焼カレー」という商品名で、有田焼の器に盛り付けられており、食べた後はその器はお土産としてそのまま持ち帰れるのです。
味はスパイスが効いていてとても美味しくて、有田焼も素敵な絵柄が装飾されていて、なるほど人気なのが判りました。
群馬に帰ってから「うちも有田焼使って、持ち帰りOKにするかあ」と女房に提案したら、
案の定、「佐賀で食べるから有田焼がお土産になるんでしょ。だいたい群馬で手頃な値段の有田焼を仕入れられるわけないでしょ」。



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るしあんの焼きカレーは八ケ岳の某レストランで教えていただいたレシピで作っているのですが、器は萬古焼(ばんこやき)のグラタン皿を使っています。
宴会用の土鍋も萬古焼。
なぜ萬古焼なのかというと、理由は単純明快で“ともかく熱に強い”のです。
人呼んで「割れない土鍋」。
有田焼のような洗練された美しさはないのですが、素朴な味わいもいいもんです。
何より、ガスコンロやオーブンで多少、無理な使い方をしても耐えてくれるところが頼もしい(^O^)



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ところが、今、この萬古焼が中国のせいでピンチを迎えています。
萬古焼の耐熱性の秘密は“ペタライト”という鉱物にあります。
ペタライトを土に練り込むことで、あの強さが生まれるのです。
このペタライト、残念ながら、日本では採れません。
そこで、アフリカ・ジンバブエからの輸入に頼っているのです。
しかし、ここ数年、中国企業が“中国マネー”に物を言わせて、アフリカや南米の鉱山を買占めて、権益の独占を図っています。
ジンバブエの鉱山も中国企業に買い占められて、日本への輸出がストップしてしまったのです。



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べつに中国は耐熱土鍋を大量に作りたいわけではありません。
実は、ペタライトには「リチウム」が含有されていて、いわゆる「レアメタル」が欲しくてアフリカ、南米に触手を伸ばしているのです。
リチウムはご存知の通り、リチウムイオン電池の原料。
そして、ガソリン車の次世代は電気自動車。
つまり、「リチウム鉱山を押さえてしまえば、世界の自動車産業を牛耳れる」とも言えるのです。

いわば、中国の強欲のせいで日本の土鍋が割れやすくなってしまうかもしれないのです。

萬古陶磁器工業協同組合によると、ペタライトの費用が高騰してしまい、これまでの品質を保持するためには「土鍋の値段を倍にしなければならない」そうです。
一方で、日本は高い技術力を有しているので、ペタライトに代わり“シリカ”を用いて耐熱性を上げる研究も進んでいるそうです。
土鍋の食文化を守るためにも陶磁器職人さんには是非とも頑張ってほしいと思います。




それにしても、、、
中国の一帯一路構想による世界進出は地球上のレアメタルまで食い尽してしまうんじゃなかろうか!?

ガソリン車から電気自動車に変わっても、それってホント、地球環境のためになるの?






「風が吹けば桶屋が儲かる」と言いますが、さしずめ令和の世では、、、

「EV車が普及すれば水炊きが食えない!」




これぞ、バタフライ・エフェクト (-。-)y-゜゜゜






posted by るしあん at 23:26| Comment(0) | 日記
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