2025年04月28日

古き友だち


先日は遺跡保存にたずさわった昔話を書きました。
渋川金井遺跡群は甲(よろい)をまとった人骨で一躍有名になりましたが、みなさんは「犬骨」で有名になった遺跡をご存知でしょうか?
10年前、奈良県桜井市の纏向(まきむく)遺跡からイヌの全身骨格が出土したのです。
大きい建物遺構の近くから発掘されたことから、比較的身分の高い家で飼われていたイヌであろうと推測されました。
纏向遺跡は地層調査により3世紀前半の集落であることが判っていますので、古墳時代初期のペットだったのかもしれませんね。
そう、日本においてもヒトとイヌは長〜い古き友だちであったのです。

桜井市では、この「犬骨」を基に犬の復元模型を作ったのですが、出来上がった姿形は体高50p弱の「四国犬」に似た犬だったそうですよ。
まさに、“和犬の原型”ですよね。
復元模型は市役所に飾られていていつでも見られるようですから、奈良方面に出かける機会があれば見学に立ち寄るのも面白い観光になるかもしれませんね。



sakuinu001.jpg



さて、奈良県には、もう一匹、有名な古き友だちがいます。
それは、かの聖徳太子の愛犬「雪丸」です。
「雪丸」は飛鳥時代のイヌということになります。
こちらは古墳から遺骨が発掘された訳ではなく、奈良県王寺町にある達磨寺に伝承されている史実です。
なんでも、聡明な聖徳太子の飼い犬だけのことはありもの凄く優秀な犬だったそうです。
言い伝えによると、人の言葉が分かり、なんとお経も読めたのだとか!
さすがにお経の話しは後世の脚色っぽい感じがしますが、聖徳太子が犬を飼っていたのは事実のようです。
達磨寺の地元、王寺町ではこの雪丸が公式の「ゆるキャラ」に採用され、町の宣伝の一役を担っています。

私、この何ともゆる〜〜い感じが大好きなのです。
とてもお経が読めるほど利口な顔じゃないですよね(笑)。



yukiinu001.jpg




最後に、余談を、、、
日本で最古のイヌの骨は約9,500年前の夏島貝塚(横須賀市)から発掘されています。
遥か昔、縄文時代には既に家畜として飼われていたことが明らかになっています。












posted by るしあん at 16:15| Comment(0) | 日記
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