亡父の告別式からしばらく経った頃、スコットランドの友人からお悔みの葉書が届きました。
そこには、直訳すると「神様の手の中で遊んでいることでしょう」というような文章が添えられていました。
日本語で言えば「ご冥福をお祈りします」ってことなのだろうか?
ただでさえ私の英語は記憶の遥か彼方に消え去ってしまったのに、ましてや慣用句なんてまったくわかりません (-。-)ハァー
そういえば、昨今の翻訳アプリは大変優秀で慣用句もちゃんと通訳してくれるそうですね。
私が昔、使っていた電子辞書なんて、「首を長くして待つ」をちゃんと「〜〜long neck」と訳してました (+o+)
英語どころか近頃は歳のせいなのか日本語さえ思い出せないことが増えた私。
女房との会話は「あれ」「それ」ばかりです。
そんな私ですが、「棚からぼた餅」だけは覚えています。
確か、セレンディピティ(serendipity)だったかと。
何故、この単語だけ覚えていたかというと、“試験用の丸暗記”じゃなく、“物語”を覚えていたから。
イラン(ペルシャ)の童話「セレンディップの三人の王子」――
セレンディップとは今のスリランカのことですが、この国の3人の王子たちがある日、旅に出ます。
旅の途中、ある国でラクダ泥棒の疑いをかけられてしまいます。
それをずば抜けた気転で切り抜けるのです。
そして、これだけじゃなく次々と困難が降りかかります。
しかし、その度、智恵と気転で乗り越えていくのです。
王子が予期せぬ経験から幸運を掴む様はワクワクしますよ。
ネタバレしてしまうので詳細は書きませんが、どんな問題をいかに解決していくはご自身で物語をお読みになってください。
面白いです!
この物語から、「セレンディピティ=思わぬ発見をする能力」という言葉が生まれたのです。

「棚からぼた餅」だと偶然性だけになってしまいますが、セレンディピティには棚からぼた餅を落す能力も含まれます。
解かりやすく言えば、セレンディップの物語は「スリランカの一休さん」の話し。
一休さんの物語がもっと早く誕生して世界に知られていたなら、「serendipity」は「ikkyu」になっていたかもしれませんね。

今日の朝刊に面白い記事が載っていました。
九州大学において「三毛猫の毛色を決める遺伝子をついに発見」したそうです。
毛色を決めるX染色体ランダム不活性化仮説が提唱されたのは、なんと私が生まれた年。
実に解明までに60年以上もかかったということです。
研究チームは、クラウドファンディングによる支援を受けてプロジェクトを進めてきたそうです。
これぞ、正に、セレンディピティ(serendipity)!!
“棚からぼた餅”ならぬ“棚から三毛猫”な成功に拍手喝采!!!
