2025年08月09日

伝える責任 @


6日の広島に続き今日は長崎の原爆忌。
日本原水爆被害者団体協議会がノーベル平和賞を受賞後、世界は変わったのでしょうか?
終息が見えないウクライナ紛争や、イスラエルのガザ侵略。
ロシアは戦術核の使用を匂わせウクライナ及び周辺国に脅威を与えています。
また先日は、ロシアのメドベージェフ氏の発言に反発してアメリカが核搭載の原子力潜水艦2隻を“適切な地域”に展開しました。
そして、中国は核ミサイルの増産を推し進めています。
核軍縮への期待を打ち砕くように、世界情勢は悪い方へ悪い方へと加速しています。

かつてアメリカの天文学者カール・セーガンは核の脅威をこう話しています、
「核戦争から聖域扱いされる場所は地球上のどこを探してもない」。
ひとたび核戦争が起きれば、その後には氷河期より厳しい寒さに襲われるというのです。
当事国は放射能で滅び、その他の国は「核の冬」で滅びるのです。
地球を覆う核爆発の粉塵で日光は遮られ、農産物・海産物は壊滅的な打撃を受け、わずか2年で25億人が餓死すると試算されています。

このカール・セーガンの核の冬論が出たのは1983年のこと。
米ソ冷戦時代の真っただ中でした。
核の冬が示す仮説には今でも正確かどうかの議論がありますが、当時は核戦争の危険性を国際社会に浸透させる上で大きな影響力がありました。
世界中で核の問題を自分事として捉えるようになったのです。

この2年後、米ソは首脳会談において「核戦争に勝者はなく、決して戦ってはならない」ことで一致したのです。

しかし残念ながらソ連崩壊後は、アメリカはテロ掃討という名目で宗教が複雑に絡み合う地域紛争・局地戦というパンドラの箱を開けてしまいました。
大国の思惑の及ばない所で戦争が起きるようになり、それが先鋭化、軍事力強化を益々加速させてしまいました。
アメリカの「常に敵を求める」政策が、核の脅威を再び引き起こしてしまいました。



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日本はこの80年をどのように歩んできたのでしょう――
唯一の被爆国として、日本政府は世界に核の恐ろしさを発信してきたのだろうか?
核兵器が何をもたらすのか、広島や長崎の実相を伝える責任を放棄してきたのではないだろうか?
核の傘の下にいることが本当に日本の安全なのか?
もし日本で有事が起きたら、アメリカは属国と見下す日本を本気で助けるとでも?
核兵器禁止条約に署名をしないばかりか、オブザーバー参加までも見送って媚びる日本の政治家っていったい……?



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共同通信によれば、広島の原爆資料館を訪れた訪日外国人観光客(62カ国)1,000人に核兵器使用に関するアンケートを実施したところ、入館前回答では約68.4%の人が「正当化できない」としていました。
それが、見学後のアンケートでは正当と言っていた人の6.2%の人が考え方を変えて、「正当化できない」と答えた人が74.6%になったそうです。
「正当化できる」7.2%、「わからない」12.8%という結果でした。

1,000人のうち、アメリカ人は196人いたのですが、アメリカ人だけの回答の割合は、、、
「正当化できない」48.5%、「正当化できる」13.3%。
2倍近い割合で核兵器使用を正当と捉えていました。

かつて、私の友人であり和太鼓の教え子でもあるアメリカ人に聞いたところ、、、
アメリカでは小学生の頃から「原爆によって世界大戦を早く終わらせることができた」「原爆投下が無ければ戦争が長引き、原爆以上の戦死者が出た」と、核兵器使用が“正義”のように教えられてきたそうです。
その彼は、やはり、広島原爆資料館を見学し原爆の惨状を知り、「核兵器は決して容認できない。間違った教育を受けてきたことを知った」と話していました。



こうしたアンケート結果や実際に資料館を見た外国人の話しを聞くと、日本は核兵器が何をもたらすのかをもっともっと世界に向けて発信すべきだったと思います。
とかく政治が絡むと真実が隠れてしまいます。

落とした側にすれば「非道が世界中に知れ渡る」とか「ここで製造を止めれば敵陣営に遅れを取る」などの思惑があるのでしょう。
あるいは軍需産業からの資金援助が欲しくて忖度しているのか、アメリカの為政者のドス黒い腹の内は図り知れませんが、、、



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投下から80年、被ばく者の方々の生の声を聞く機会はどんどん少なくなってしまっています。

サラリーマンだった頃、長期休暇を利用して長崎や知覧を訪れたことがありましたが、初めて原爆資料館を見た時の衝撃は今も記憶に残っています。
印象的だったのは修学旅行で来ていた中学生が展示されている写真を見て涙を流していたこと。
写し出された原爆禍の惨状はショッキングだったでしょうが、戦争の悲惨さが心に刻まれることで、平和の尊さが解かる大人に成長してくれるだろうと思いました。

被爆国として世界に向けて“平和の希求”を発信することはとても重要ですが、日本人として広島・長崎の実相を知ることはとても大切です。
群馬県内の中高生の修学旅行先は京都・奈良が多くなっていますが、オーバーツーリズムを鑑み、広島・長崎を組み入れた中国地方や北九州地方を訪ねるのも有意義なのではないでしょうか。




全世界の人々に原爆資料館を見てもらいたい私なのです――












posted by るしあん at 11:02| Comment(0) | 日記
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