2025年10月03日

スイッチ


寒さが終わる頃に甘い香りを漂わせるジンチョウゲ(沈丁花)。
それに対して、暑さが終わる頃に甘い香りを漂わせるのがキンモクセイ(金木犀)です。
今年は残暑の影響で、キンモクセイの香りを楽しめるのは今月の中旬過ぎになるようです。

かつてブログに書いたことがありますが、我が家は古い農家屋でしたので、台所は土間、2階と大座敷は蚕に占拠され、厠(トイレ)は庭の片隅に小屋を立てていました。
昔ながらのボットン便所でしたから臭気抜きの筒と汲み取り口があって、その周りには数本のキンモクセイが植えてありました。
秋の彼岸頃になるといつもキンモクセイの匂いが庭に漂っていました。
近所のお宅もみな植えてあったので、今時分は、辺りはいつもいい匂いに包まれていた記憶があります。


kiosw02.jpg


そして、ほとんどの家にジンチョウゲとクチナシも必ずっていうほど植えてあったので、春の始まり、夏の始まりも花の香りで感じることができたものです。
おかげで、私にとっては三大香木の匂いは昔の便所を思い起こさせる匂いとなっています。




ところで、これ、何かわかりますか?


kiosw01.jpg


これは、昔の便所の外柱に下げていた手洗いのための道具なのです。
タンクの中に水を貯めて、下に出ている細い金属棒を上に押し上げると水が落ちる仕組みなんです。
わんちゃん用の給水器は、もしかしたら昔の手洗いタンクからヒントを得たのかもしれませんね。

先週最終回を迎えた朝ドラ「あんぱん」の中で、小道具としてこれが映った時には「なんて芸が細かいんだ」と美術さんの知識に脱帽でした。
星空が見える抜けた天井の厠の前の長椅子で話し込むのぶと嵩。
画面の端っこにこのタンクがチラッと見えたのです。
思わず「なつかしい〜!」と声が出てしまったのですが、女房はそれが何かわからなかったようで、、、
女房の実家はやはり農家屋だったので外の厠だったのですが、手洗いは水道だったとのこと。
貧乏だった我が家と違って、女房んちの方がちょっとだけ裕福だったのかなあ、なんて笑いました。



それにしても、、、
三大香木、特にキンモクセイの香りを嗅ぐと、60年近くも前の古〜〜い家を思い出せるなんて、きっとキンモクセイが私の記憶のスイッチなのでしょうね。

サラ・ミラが遠い未来、おばあちゃんになった時、犬の匂いで“るしあん”を思い出すのだろうか……




香りや景色や味など、あなたの“記憶のスイッチ”は何ですか?











posted by るしあん at 22:04| Comment(0) | 日記
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