2025年11月08日

バッグと為替相場


サナエ首相が持つショルダーバッグが人気で、製造元の長野のメーカーは特需で大忙しなんだとか。
この現象、「サナエ買い」と呼ぶらしいですよ。

もう30年以上も前の話し。
ご婚儀が決まり皇太子妃修行が始まった(小和田)雅子さまは、A4サイズが入る大きさの黒の素敵なバッグをお持ちになり皇居に通われました。
やはり、そのバッグに世の女性たちは夢中になりました。
巨匠パブロ・ピカソの娘さんがデザインしたパロマ・ピカソのショルダーバッグはたちまち売り切れてしまいました。
ちょうどその頃、アメリカ出張があったので、女房のお土産はパロマのショルダーにしたのです。
NY5番街のデパートに探しに行ったところ、案内のおねえさんが「このバッグを買いに来る日本人が増えているみたいだけどなんで?」。
インターネットなんて無い時代でしたから日本のトレンドなんて知る由もないおねえさんに、つたない英語でプリンセス候補の持つバッグに日本女性が憧れていると説明したら納得した様子で、「売り場の者に教えておくわ」。
そして、「日本からの女性は皆MACのリップスティックを買っていくのよ。ワイフ、きっと喜ぶわよ」と教えられてそれもお土産にしたのです。
当時は、信じられないかもしれませんが、なんと1ドル=80円だったんですよ。
日本では高価な品もアメリカではお手頃価格で買えたのです。
逆に、面倒を見てくれた現地銀行の日本人スタッフは給料がドル建てで日本の家族への仕送りが大変だと嘆いていました。
折しも、ソニーがコロンビア映画を買収した時期で、金に物言わせてアメリカの魂を奪ったと、行く先々で嫌味を言われたものです。



sanabag01.jpg



1ドル=154円の円安の今、円が倍の価値を持っていたなんて夢のようですよね。
まったく今と逆で、京都には外国人観光客なんていなくて、ハワイやグアム、サイパンは日本人だらけだったんですから、、、
そういう意味では、私たちの世代は為替の恩恵を享受できた幸せな世代だったと思います。
息子家族は「とても海外旅行なんて行けないよ」なんて嘆いています。
修学旅行も海外なんてとても行けず、京都はオーバーツーリズムで宿泊費高騰。
新たな旅行先として高知県や島根県を選ぶ学校が増えているそうです。



あの頃は日本がバブルの好景気で円が独歩高だっただけで、決して、ドルは衰えてはいませんでした。
ところが、日米貿易摩擦がこたえたのか、1995年、クリントン政権のルービン財務長官が「強いドル政策」を提唱。
いわゆるルービン・ドクトリンは今日まで歴代政権が継承しているのです。
ドルの信認を保つことが、米国への投資資金流入を促し、経済成長や市場活性化につながるとの考え方に基づいています。
つまり、強いドルとは「ドル高」を意味しているわけではなく、「信用度の高さ」なのです。

大統領経済諮問委員長のミラン氏は「割高なドルが米製造業の負担」と指摘。
トランプ大統領は通貨安によって輸出競争力を高めて国内製造業に活気を取り戻したいという思いが歴代大統領の中でも人一倍強いのでしょうね。
貿易相手国へ追加関税をバンバン掛け、為替介入も辞さないトランプですが果たしてどうなることやら、、、
市場では40年前の「プラザ合意」ような日米欧でドル高是正が行われるんじゃないかとの話題も出ているそうです。

ただ、トランプ政権の経済政策の司令塔であるベッセント財務長官は、ヘッジファンド出身のことだけあって、安易なドル安政策は世界最大の対外純債務国であるアメリカを窮地に陥れかねないことを熟知しています。
基軸通貨ドルの地位を危うくする、すなわち「弱いドル」になってしまうことを懸念してトランプにブレーキをかけているようですが、、、



sanabag02.jpg



でも、、、結局のところ、何をするにもトランプ次第。
ミランやベッセントの話しを聞いているうちはいいのですが、何事も「直感」で動いてしまう大統領が次に何をしでかすのか、、、

まだまだその動向には目を離せません。



バッグひとつのお値段に一喜一憂している場合ではないのかもしれませんね――











posted by るしあん at 19:51| Comment(0) | 日記
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。