外国映画を観ていると、老夫婦が手をつないで散歩したりハグをしたりするシーンがよく登場します。
これも文化の違い!? ひねくれ者の私なんぞ「ホントかいね!?」といつも穿(うが)った目で見ています。
日本じゃ、まず、じいさん、ばあさんが手をつないで歩くとこなんて見かけません。
私の通う病院では手をつないでいる老夫婦も散見されますが、あれはつないでいるんじゃなくて「手を引いている」、、、つまり介助ってやつで、、、
我が家の場合は、手をつなぐどころか、最近はカフェを離れれば夫婦喧嘩が絶えず、病院は杖を突きつつ一人で通っています。
その姿が痛々しく映るのか、時々、看護師さんに「車椅子お持ちしましょうか? 押しますよ」なんて声をかけられるのですが、その度、丁重にお断りしつつ心の中でその優しさに涙を流しているのです……
サラ・ミラも大人になったのか「長いものに巻かれる」処世術を身に付け、夫婦喧嘩の際は必ずばあば側に。
そういえば、我が家の動物たちも(犬も猫もウサギも)私の命令をきかずばあばに従っています。
動物の本能で「誰が頂点にいるか」を理解しているんでしょうね((+_+))
さて、そんな私達夫婦ですが、ケンカの原因はいつも些細な事で、その多くは「言った!」Vs.「聞いていない!」なのです。
サブスクで映画に夢中になっている時に、脇から何か頼まれても聖徳太子じゃあるまいに聞こえるはずもなく、適当に返事するもんだから後々「あれ頼んでおいたのにやってくれてないじゃん(`´)」という展開になってしまうのです。
食事中しかり、新聞を読んでいる時しかり、、、ひとつのことをやっている時にあれこれ言われても……
返事しないと不機嫌になるので、とりあえず「ハイ、ハイ」と返すのです。
ちょっと、話しは脇道に逸れます。
昔、恩師に“○○しろう”という先生がいましたが、今日は便宜上、「佐藤史郎」という仮名で書きます。
既に故人とはいえ個人情報を書くのはまずいので。
この佐藤先生、ともかく生徒に用事を頼むのです。
「職員室行って机の上のプリント持ってきて」
「そこのボール片づけておいて」
「そのテーブル拭いて」
などなど、、、
そして、付いたあだ名は「あれシロ!これシロ!佐藤シロー!」。
誰が名付けたか、リズムの良さと韻が絶妙で、たちまち生徒の間で流行したんです。
いつのまにか、友人間の頼まれ事にも、
「そこの男子! 遊んでないで机を後ろにやって、ちゃんと掃いて!」
「え〜、お前、あれシロ!これシロ!佐藤シロー!じゃ〜ん。」
ってな感じで使われるようになったのです。
さて、話しを戻します。
私が上の空で返事をしている時は、大抵、女房は頼み事しているのです。
「石油入れて」だの、「蛍光灯替えて」「アンジェラの散歩行ってきてよ」だのと。
私は心の中で、「そんなことくらい自分でやってくれよ、こっちは腰は痛えわ、膝は痛えわなんだからさ〜」と思ってしまうのです。
こんな日常の中で、自然と「聞き流す術」が身に着いてしまったのかもしれません。
そして、それが、しょっちゅう、喧嘩にまで発展するのです。
「なんで、やっておいてくれなかったの!」
「ウッセーなあ。この“あれシロ!これシロ!佐藤シロー!”があ!」
傍(はた)で聞いてりゃまるで小学生レベルの老夫婦の口喧嘩。
呆れて、サラ・ミラは知らんぷり。
当然、アンジェラは食うわけもなく、、、
と、いうことで、私が大好きな柳家小三治師匠ばりの長い枕噺になってしまいましたが、、、
明日は本題の「見えるものを見ず、聞こえるものを聞かず」というお話し。