先月のこと、伊香保祭りの後、渋川に下り、たまに行く蕎麦屋さんに立ち寄ったのです。
美味しい日本酒があるので必ず注文するのですが、今回は女房が飲んで私が運転手の番。
以前は新潟の『鶴亀』や『菊水』などがあったのですが、近頃は県内地酒を推していて地元産のみのラインナップに変わっていました。
『群馬泉』『巌』『赤城山』『清りょう』『龍神』などなど並んだ銘柄を見るとご主人の日本酒好きは想像に難くありません。
女房が『群馬泉』を選んで、たちまち冷酒瓶2本を飲むと、ご主人が嬉しそうにテーブルにやってきて、、、
「最近は日本酒を飲んでくれる人が少なくなってさみしい。
メニューには無い私のとっておきなんだけど試しに飲んでみて。」
グラスに差してくれたのは『流輝(るか)』。
藤岡の小さな酒蔵の銘酒だそうで、なかなか入手できない逸品なのだそう。
県内のお酒は知っているつもりでしたが、初めて見る銘柄でした。
女房の破顔を見ると相当おいしいのだろうなあと想像できたのですが、私はハンドルを握る身、、、泣く泣く我慢したのでした。

女房との日本酒談義が盛り上がったせいなのか、私が余程物欲しそうな顔をしていたのか、帰り際に、
「美味しく飲んでもらえて嬉しかった。
よかったら、これ、持ってて!」
なんと、試飲のために封を切った先ほどの『流輝』を瓶ごとプレゼントしてくれたのです。
おかげで帰宅後、私もご相伴に預かることができたのです。
最近では珍しくなったちょっと甘口の大吟醸で、鼻腔に麹のほのかな甘いフルーティーな香りが広がり、味も芳醇なのです。
後味も甘口なのにすっきりして、とても美味しいお酒でした。
蕎麦屋のご主人にはホント、感謝、感謝です。
まるで、“飲兵衛の絆”というものがあるかのような出来事でした。
ごちそうさまでした!!!