昨日は江戸で流行った“病除け”の話しを書きましたが、全国にはいろいろな“病除け”の風習があるようです。
医療が発達していなかった古(いにしえ)の人々の風俗風習が垣間見えてとても面白いもんですね。
私の住むこの街にも何か特別な“病除け”の風習はないものかと調べてみましたが、残念ながら見つかりませんでした。
熱心な檀家さんが多かったようで、うちもそうなのですが、お寺さんから頂いてくる元三大師(がんざんだいし)のお札を玄関に貼るというポピュラーなものでした。
さてさて、、、
江戸の『釣船清次』に並ぶのが、京都の『上酒有(じょうざけあり)』。
都では、酒を売り歩く怪しいババアが疫病を広めていると怖れられていました。
妖婆(ようば)が酒を携え訪れた家の住民がことごとく流行り病にかかってしまったそうです。
そこで、住民は一計を案じたのです。
「そうだ。うちにはうめえ酒がいっぺえあると思わせりゃ、酒売ババアは近づくめえ!」
そこで、玄関に紙を貼り出しました。
これが、『上酒有(じょうざけあり)』。
「銘酒は池のごとく有り。謹んで妖婆にお断り申す。」という具合に妖婆に退散願ったそうです。

『釣船清次』や『上酒有』のような疫病除けの張り紙やお札の話しは、全国各地で見られるそうです。
疫病を家から遠ざけたいという昔の人々の切実な思いの表れなのでしょうね。
貴方のお住まいの地域にもそんな言い伝えは残っていませんか?
歴史や民俗に触れてみるのもきっと面白いですよ!!!

それにしても、いつになったらコロナワクチンは行き亘るんだろう?
公衆衛生の責任を国民個々に丸投げして、政府のやることといったら後手後手……
もうしばらく、我々庶民は張り紙やお札に縋(すが)らなくっちゃならないのかなあ (T_T)