私が作る米の量なんてたかが知れていますので、保存は6俵(12袋)が収まる保冷庫が2つ。
冷気が循環するように1台に10袋しか入れていませんが、、、
それでも、場所は取るし電気代も馬鹿になりません。
連日、テレビで報道されている「消えた21万d」ですが、稲作百姓の私としてはどうにも信じ難くて。
何しろたった1d弱の保存にだって場所とお金がかかるのに、、、 それが21万dでしょ。
いったい保存するのにいくらかかるのでしょう!?
間違いなく億単位のお金が必要だと思います。
テレビではセンセーショナルに「背広姿の中国人が現ナマで買ってった」なんて伝えていましたが、、、
外国人ブローカーの購入も実際にあったのでしょう。
でも、そんなのなんて、それこそ数d、多くたって十数dくらいのわずかな量なのではないでしょうか?
転売ヤーが思いつきで転売しようったって、保管にかかる経費に莫大なお金が必要です。
コメを投機目的のマネーゲームにしようとしても「先物」ならまだしも「現物のコメ」でやろうとするのはチョット無理があると思うんだけどなあ。
昨夏の「令和のコメ騒動」に危機感を持った外食産業が新米を早期に大量に買い付けたのが大きな要因じゃないのかなあ。
昨年のように、仲買人に発注しても「納品遅延」「在庫なし」なんて回答じゃ外食チェーンも安心できませんからね。
また、仲買人の中には同じく危機感からJAに先んじて農家から買い付けた人(法人)もいたんでしょう。
要は政府が言うように「消えた21万d」じゃなくて、真実は「足りなくなった21万d」。
もっと正確に言えば、昨夏のコメ騒動を受けて早場米農家は8月、9月に17万dを先行出荷しているので「足りなくなった38万d」ってことなんでしょう。
政府としては「足りなくなった」なんて言えば、自らの“政策の失敗”を認めることになっちゃうので、これまで減反政策で米を作らせないようにして散々“百姓イジメ”をしてきた手前、“消えた”なんて表現を使っているんだろうなあ。
でも、不思議なのは、、、
森友の改ざん文書然り、日米密約文書然り、、、
「有る物を無い」というウソが得意な政府は、今回のコメに関しては「無い物を有る」って偽ってるわけで、、、
農業関連の票を失いたくないジミン党は、どうしても転売ヤーを悪者にしておきたいのでしょう、、、知らんけど、、、
まっ、備蓄米を放出しても値下がりは一時的で、コメ騒動の前の価格までには下がらないのでしょうね。
でも、今の価格高騰は極端すぎますが、稲作農家にとってはこれまでが低くすぎるので@600円/1sくらいで落ち着くのがいいと思うのですが、、、

定年農業なんて言葉もありますが、サラリーマンを卒業して新規に就農するのには稲作は結構ハードルが高いのです。
トラクター、田植え機、コンバイン、刈り払い機などなど、必要な道具はたくさん。
なにより難しいのは、水利を確保できる田んぼを探すこと。
減反政策により畑に転用してしまった所を水田に戻すのは容易ではありません。
特に、根菜を作るために、粘土質の表層と支持基盤が混ざるほど深く耕してしまった畑では保水能力が落ちてしまい田んぼとしては機能しません。
新規就農でコメを作ろうとするなら、離農するおじいちゃんから“そのまま、そっくり譲り受ける”のがベスト。
つまり――
政府がこれまでの政策の過ちを認めて、
「ごめんねー。おコメが足りなくなっちゃたから減反やめて、いっぱい作ってよー。」
なんて言っても“すぐには増産できない”ということなんです。
さてさて、永田町のセンセー達は、この「令和のコメ騒動」「米価急騰」を次の農業政策に活かすことができるのだろうか?
まさかとは思うけど、トランプのご機嫌を取るため、「足りない分はアメリカから“國寶(こくほ)ローズ”や“錦(にしき)”を買うかあ」なんて言い出さないでよ (`´)

※稲作百姓の私からちょっとアドバイス
もし、ネットなどで輸入米を購入する時は必ず「NON−GMO」と表記のあるものを!
GMOとは遺伝子組み換えのこと。
農薬耐性に遺伝子を組み替えられた稲は、強い除草剤や殺虫剤を浴びている危険性があります。
やむを得ず輸入米を買う場合は「非遺伝子組み換え」を買いましょう!